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【元高校球児からのエール】堤野健太郎さん(智弁和歌山OB)

2018.7.26

元高校球児が語る高校野球の思い出、そして現役球児たちへのエール。今日は高3の春夏に甲子園に出場し、夏は決勝戦で2本のホームランを放つなど全国制覇に貢献する活躍を見せた、智弁和歌山OBの堤野健太郎さんからのエールです。現在は大手広告代理店で働いています!



堤野健太郎さん(智弁和歌山OB)

(智弁和歌山:2000年春、夏、甲子園出場)

甲子園に向けて野球に打ち込めるほど
充実した時間はない



今、甲子園の中継を見ていても本当に自分がプレーしていたのかなと思いますね。特に最近はレベルも上がっていて、どんどんすごい選手が出てきている。自分たちの時はどうだったかな…と考えてしまいます。

自分が3年のセンバツで準優勝しましたけれど、もとをたどると2年秋の近畿大会の初戦で負けたのにセンバツに選ばれたので、何とか結果を残したかったのに優勝できなかった。だから夏はなおさら甲子園で優勝しないといけないと必死でした。でも、自分はセンバツ後に体調を崩して思うように練習ができなくて、辛かったこともありました。

夏の甲子園に何とか出場はできたけれど、甲子園のくじ運が強烈で、初戦は新発田農、2回戦は中京大中京、3回戦はPL学園…と強豪ばかり。準々決勝は(大会ナンバーワン右腕と言われた香月良太率いる)柳川でしたからね。かなりの気力、体力を使って決勝まで勝ち進んだので、決勝当日はかなりバテていたのを覚えています。それでもここで負けたら意味がないと気力で頑張って、決勝の東海大浦安戦で2本もホームランを打てたのは良い思い出です。

優勝は出来ましたけれど、自分たちの勝ち上がりは劇的な試合が多くて、出来すぎなところはありました。ただ、実力以上のものが出るのも高校野球です。そもそも自分がホームランを打つなんて考えられないこと。満員の甲子園は特に独特な雰囲気がありましたが、不思議な力もくれるんです。夏のためにすべてを賭けて練習してきた以上は、悔いのない夏にしたいとは思いましたが、実際、勝って終わっても悔いはありました。あの時こうしておけば良かったとか…。それも高校野球なんじゃないでしょうか。

自分はしんどいことも多い2年半でしたが、必死に甲子園に向けて野球に打ち込めるほど充実した時間はないので、その時その時を大切にしてもらいたいです。(取材・撮影/沢井史)



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