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【市立松戸】朝隈智雄監督|大事にしているのは、ゲーム数、トレーニング、修正に対するコツの提示

2024.12.7

激戦区千葉の中で上位進出を果たすことは決して多くない市立松戸。しかし昨春の県大会では強豪・専大松戸を相手に1対3の接戦を演じ、瀧本将生(2021年)、広瀬結煌(2024年)とたて続けにドラフト指名選手も輩出している。そんなチームを指導する朝隈智雄監督に話を聞いた。


技術指導以外が疎かになっていた20代

朝隈監督は長崎北陽台高校から千葉大学の教育学部に進学し、大学までプレーした経験を持つ。学生時代から将来は指導者になるという意思を持っており、そのまま千葉に残り教員生活をスタートさせた。
「高校の教員になって野球を教えたいという気持ちで採用試験に受かったのですが、最初は四街道の小学校に赴任になりました。野球の指導者としてその学区の中学校の監督を頼まれて、それがスタートですね。その後念願かなって高校に異動になって最初に赴任したのが君津の上総高校。今は君津高校と統合してしまいましたが、当時から部員も本当に少なくて、マシンが3台あってスタッフも4人いるのに部員は3人しかいないようなところからのスタートでした」

甲子園を目標と考えると、かなり遠いところからの指導者生活のスタートとなったが、大学時代に研究として野球にも取り組んできたこともあり、徐々に力をつけていった。
「何とかしたいと思って地域の中学校をかたっぱしから回って、野球を続けてくれそうな子を探して、3年くらいして何とか部員も20人超えるくらいになりました。そこから技術を教え込んで、当時20数年ぶりに公式戦で勝つこともできて、ある程度の成果は出せたのかなと思います。そうしたら県の高野連から甲子園塾(毎年日本高野連が若手指導者向けに行っている研修会)に推薦していただいて、その時の担当講師が関東一の米澤(貴光)監督。色んなことを教わって今でもお世話になっています。あの経験は大きかったですね。それが上総高校での最終年で、そこから縁があって翌年に市立松戸に異動しました」



ここまで聞くとある程度順調な指導者生活に見えるが、今思い返すと失敗だったと感じることもあるという。
「その時はベストだと思ってやっていても、今振り返ってみるとどうだったのかなと思うことは多々ありますね。また一周回って前の方が良かったかもしれないと思うこともあります。特に最近思うのはチームを作る上で、選手を育てる、選手の力量を伸ばそうとすることに偏っていたのかなというのはありますね。高校野球の監督って権限がたくさんあるので、プロ野球で言うとGMとヘッドコーチも兼ねているところがあると思います。その中で今は整理して考えると選手の獲得、育成、試合の采配、選手の進路指導、そしてそれらを発信していく広報の5つの役割があると考えています」

20代の若い頃は大学で研究していたこともあり、選手の技術を伸ばす育成ばかり考え、他が疎かになっていたと振り返る。
「選手はよく成長してくれたと思うんですけど、いざ大会となると采配で負けたということもありましたし、連戦になるとピッチャーが足りないこともありました。選手の獲得や采配の部分が足りなかったですよね。だから今はそれをある程度バランス良く力をかけて、回せるようにというのは意識しています」


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