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【元高校球児からのエール】近田怜王さん(報徳学園OB)

2018.7.23

元高校球児が語る高校野球の思い出、そして現役球児たちへのエール。今日は報徳学園のエースとして2008年にチームを甲子園ベスト8に導いた近田怜王さんから、球児たちにエールを送ってもらいました。



近田怜王さん(報徳学園OB /元福岡ソフトバンク)

(報徳学園:2008年夏、甲子園出場)

仲間と一緒に過ごせる夏を満喫して



自分たちが甲子園に出たのもちょうど記念大会の90回大会で、もう10年になるんですね。早いなぁと思います。自分たちは県大会で夏のシードが取れなかったんですけれど、今年もシードを取れなくて、しかも県で一番評判の高いチームのブロックに入っているので、自分たちの年の夏と被りますね。自分たちの時は神戸国際大付が一番強いと言われていて、同じブロックに入って4回戦で戦ったんです。そこで接戦で勝って、そのまま勢いに乗って甲子園に行くことができました。

高校野球って、一番信じられるのは仲間なんじゃないかと思うんです。自分は2年の夏あたりからイップスになって投げられなくなった時期があって1人で孤立してしまいがちなこともありました。でも、そんな時に仲間が励ましてくれたり、敢えて自分に触れずにそっとしてくれたり色々と気遣ってくれたんです。回復するまでは時間がかかりましたが、6月の練習試合で147キロを出してから自信を持って投げられるようになりました。苦しいことも多かったですが投げられなかったことを思えば最後の夏を甲子園で終えられたのは幸せでした。だから準々決勝で大阪桐蔭に負けた後も涙は出なかったんです。エースとしての責任感はありましたが、達成感の方が強かったです。それだけ2年半、高校野球をやり切ったというのもあります。

今、報徳の野球部の下宿の近くに住んでいるので後輩たちをよく見かけるんです。朝早くから自転車で通っているのを見ると「自分もこんなにがむしゃらやったんかな」って考えることもあります。でも、自分の人生は高校野球そのものです。高校野球のお陰で自分の名前を世の中に広めてもらって、今の仕事でも名前を覚えていただいている人も多いんです。甲子園を目指す人の中にはプレッシャーを感じている人も多いと思います。自分もそうでした。でも、それを感じられるのは今だけ。むしろプレッシャーを楽しんで、仲間と一緒に過ごせる夏を満喫してもらいたいです。(取材・撮影/沢井史)



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