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【元高校球児からのエール】古畑和彦さん(PL学園OB)

2018.7.30

元高校球児が語る高校野球の思い出、そして現役球児たちへのエール。今日は1998年、PL学園の4番として春夏甲子園出場を果たした古畑和彦さんからのエール。
全国制覇を目指した高3夏は、準々決勝で松坂大輔(中日)擁する横浜に延長17回、7-9で敗れますが「PLの4番」を背負い、誇りを持って高校野球をやり遂げました。野球を通じて学ぶ仲間の大切さ、チームワークの力を大切にして欲しい。そう、球児たちへ伝えたいと話します。



古畑和彦さん(PL学園OB)

(PL学園:1998年春、夏、甲子園出場)

野球を通じて仲間の大切さや、チームワークを学んでほしい



1998年、PL学園の4番として春夏甲子園出場を果たした古畑さん。全国制覇を目指した高3夏は、準々決勝で松坂大輔(中日)擁する横浜に延長17回、7-9で敗れますが「PLの4番」を背負い、誇りを持って高校野球をやり遂げました。野球を通じて学ぶ仲間の大切さ、チームワークの力を大切にして欲しい。そう、球児たちへ伝えたいと話します。


今年は100回記念大会ということで取材を受けることが多いですね。特に松坂大輔投手と戦った横浜戦の延長17回の試合は取材を受けるたびに思い出し、20年たった今のほうが記憶は鮮明になっていると感じます。僕らの代のPL学園と言えばこの延長17回の試合ばかり取り上げられますが、僕の中で1番印象に残っているのは実は他にあるんです。高2秋の大阪府大会4回戦、大阪桐蔭戦です。6回まで0-2で負けていて、7回1死満塁、僕が遊ゴロを打ったのですが、当時のショート水田圭介君(元西武)が捕球時に足を滑らせて転び、エラーに。勝ち越しの2点打となり、6-2で勝つことができました。この試合でもし負けていたら翌春のセンバツ、夏の選手権で松坂君と対戦することもなかった。ベンチで「俺ら、終わる…」と思った唯一の試合です。

高校野球をふり返ると、いい仲間に出会えたことが財産になっています。15歳で親元を離れ、1番ラクがしたいと思う年齢の時期に厳しい寮生活を経験し、その中で人に対する目配り、気配り、精神力がどんどん育っていきました。当時の同級生16人に会うと必ずこの時の話になりますが、支え合った仲間だからこそ今も16人全員が仲良く、特にキャプテンの平石洋介(楽天監督代行)を筆頭に社会人として活躍している人が多い。高校時代に学んだことは間違っていなかったと確信しています。

自分にも子供ができて、いま野球をやらせているのですが、球児の皆さんには野球を通じて仲間の大切さや、チームワークを学んでほしいなと思います。野球をやりながら、短期・中期・長期の目標を立てて欲しいです。短期と言うのは甲子園、中期はその先の学生生活、長期というのは人生の目標です。人生を通じてどういう人になりたいかという目標をしっかり持てば、野球でもいいプレーが出ると思いますし、たとえ負けても、最後まで諦めない心の強さが身につくと思います。人生は野球を終わってからの方が長いです。社会で生かせるチームワークを野球で身に付け、仲間を大切にしてください。(取材・樫本ゆき)



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