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【元高校球児からのエール】内藤剛志さん(敦賀気比OB)

2018.7.13

元高校球児が語る高校野球の思い出、そして現役球児たちへのエール。今日は敦賀気比OBのJR東海コーチの内藤剛志さんからエールをいただきました。
第77回選手権3回戦、花田真人投手(元ヤクルト)擁する柳川との延長15回の投手戦を制した内藤さん。213球を投げ抜いた気力と投球術は、それまで培った努力が実った証となりました。高校全日本にも選ばれ、駒沢大、JR東海でも活躍した内藤さんが、球児へのエールとともに「ライバルの大切さ」についても話してくれました。



内藤剛志さん(敦賀気比OB /JR東海コーチ)

(敦賀気比:1994年夏、1995年夏、甲子園出場)


勝っても負けても、
目標に向かって努力してきた事は、
今後の人生にきっと活かされる。

今では甲子園常連校ですが、当時の敦賀気比は公式戦でほとんど勝ったことがなく、私も「つるがけひ」と読めなかったくらい無名でした。その高校に、中学時代(鯖江ボーイズ)の恩師が監督として就任し、実力ある選手を集めて甲子園を狙うことになりました。私はレギュラーになることは無理だと思いましたが、甲子園への憧れもあり入学を決めました。そこで出会ったのが、のちにロッテからドラフト指名を受ける飯田雅司です。


飯田は1年夏からエース番号をつけ、スカウトが見に来る本格派右腕。体格も実力も敵わない存在でしたが、彼の存在があったから私は「負けたくない」という思いが沸き、成長することができました。当時は練習が終わったあとに、下宿近くを毎晩15㎞のランニング、朝は海岸の砂浜を走りました。飯田も努力しているから、誰も見てないところで差をつけるしかなかったのです。この時の努力が、甲子園延長15回を投げ抜けた精神力につながったと思います。

ライバルの存在は本当に大きかったです。ワンマンチームだったら、甲子園にも行かなかったと思うし今の自分はいなかったと思います。自分自身に目を向けて努力することは大事ですが、刺激になる存在に目を向けると、もっと大きな力になります。大学、社会人、プロ…。高校生の皆さんの中にはこの先も野球を続けていく人もいるかと思いますが「あの人には負けたくない」という存在を作って下さい。社会人として仕事をするようになっても、この感覚はきっと役に立ちます。

3年間、自分自身がいろいろな思いでやってきた事を力にして、ともに汗を流したチームメイトと力を合わせ、甲子園、日本一を目指して欲しいです。勝っても負けても目標に向かって努力してきた事は、今後の野球人生、また野球から離れてもきっと活かされます。(取材:樫本ゆき/写真:本人提供)


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