静岡高校で2021年に監督として初となる甲子園出場を果たした池田新之介監督。最初に監督を務めた焼津水産ではそれまで地区予選敗退を繰り返していたチームを県大会出場に導くなど手腕を発揮していたが、次に赴任した島田商では選手が練習をボイコットすることもあったという。その経験が現在の指導にどう生きているかなどについて聞いた。
島田商監督時代に受けた練習ボイコット
島田商監督就任後、最初の夏の大会ではベスト8に進出したものの、新チームが発足すると当時の2年生が練習をボイコットするという試練もあったという池田監督。最終的に全員練習に戻ってきたというが、その経験で感じたことがあったという。
「最初は2生全員が練習に来なかったんですけど、徐々に戻ってきて、最終的には全員復帰してくれました。こちらのやり方に文句があっても、その後の練習を見ても一生懸命やるんですよね。それを見て選手のやる気がないわけではないということを感じました」
ボイコットがあったタイミングで何かをやり方を大きく変えたわけではない。だが、ただやらせるのではなく、選手の様子をよく見るようになったという。最終的にはこのボイコットした代の選手たちがベースとなり、その後の結果にも繋がっていった。
その後、島田商は度々県内でも上位に進出。2018年夏の静岡大会では決勝進出を果たしている。結果は5対6で常葉大菊川に惜敗し、あと一歩で甲子園出場を逃すことになるが、この時の経験は池田監督にとっても大きいものとなったという。
「決勝戦サヨナラ負けだったので結果だけ見ればあと一歩なのですが、その一歩は凄く大きな差だなと思いました。能力の差ではなくて、決勝で戦う準備段階やスタミナの差。こっちは準決勝までに相当消耗していて、(常葉大)菊川さんは余力を持っているというのは感じました」
2年生エースの小林史弥は力のあるピッチャーだったが、1週間で3回戦から決勝までの5試合に投げることになり、最後は持たなかった。
「準決勝も控え投手を先発させて何とか5回まで抑えたんですけど、相手の打線も強くて6回からは小林が投げました。決勝戦がどうこうというよりも、もう1人頼れるピッチャーを作れなかったというのが勝ち切れなかった要因だと思います」
