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【駒大苫小牧】氷点下のグラウンドで取り組む「規格外の練習」(前編)

2018.1.24

北海道中が燃えた2004年夏の甲子園初優勝、05年夏の連覇、そして06年夏の準優勝と高校野球の一時代を築いた駒大苫小牧。09年秋に22歳の若さで就任した佐々木孝介監督は初優勝時のキャプテンだ。昨秋の北海道大会を4年ぶりに制してセンバツ出場を確実にした佐々木監督にオフシーズンの取り組みなどについて話を聞いた。


昨秋の北海道大会を4年ぶりに制してセンバツ出場を確実にしたチームは明治神宮大会に駒を進めたが、初戦で強豪大阪桐蔭に2-4で敗れた。敗戦後、佐々木監督はこんな言葉を残している。

「(春へ向けて)規格外の練習をするだけです」。

学校を訪ねたのは12月20日、この日は終業式で午後1時過ぎから選手たちがグラウンドに集まる。全国優勝した04年に完成した近代的な校舎の敷地内に両翼95メートル、中堅125メートルの専用グラウンドとサブグラウンド。他部との共用だがフットサルコートほどの人工芝の室内練習場にはトレーニングルームも併設。野球部員は全員、総合進学コースの体育系に所属し、野球に取り組む環境としては北海道では有数だろう。

選手全員がセンター付近に集まり整列し、声をそろえて応援歌を歌い、足並みをそろえて行進して、ランニング。極めてシンプルな流れ。そして練習が進むにつれ「規格外の練習」の真意を知り、その奥深さに鳥肌が立った。

「まずは・・・神宮大会ですね。相手はさすがに高い技術もあったけれど、スキもあった。でも試合前から『大阪桐蔭』に名前負けです。甘いんです。反撃した5回表の2点目、本盗はノーサインです。選手が判断した練習通りのナイスプレー。でも先制されてから自分たちの野球ができても遅いんですよ。なぜ、最初からできないのか。そこが弱さです」

佐々木監督の言葉の端々には怒りにも似た強烈な悔しさがにじむ。今、選手たちに求めるのは何か、と問われ「根性」ときっぱり。効率や実戦的な練習よりも今必要なのは絶対的な練習量であり、この冬は基本練習を徹底的に繰り返そうと考えている。


技術面より気持ち、時代錯誤でもいいから「ド根性野球」に徹する。そこから相手に負けない自信、感じる力、這い上がる力をつける。それが佐々木監督の「規格外の練習」だ。

徹底した基本練習がグラウンドと室内練習場で始まった。部員55人(うちマネージャー1人)が主力のAチーム、控えのBチームに分かれる。AとBは頻繁に入れ替え、競争を促す。雪こそ少ないが氷点下の凍てつくグラウンドではBチームがキャッチボール、ボール回しを黙々と繰り返す。

Aチームの室内練習場ではポジションに関係なく佐々木監督が緩いゴロを転がし、足の運び、捕球動作、送球への流れを繰り返す。これが納得いくまで3時間、4時間と続く。投手陣は室内練習場2階のランニングコースを使ってランメニュー。

結局、この日は補食休憩の午後5時過ぎまで守備練習。すでに練習開始から4時間が経過していた。炊きあがったご飯をかき込み、再び基礎練習。結局午後7時過ぎまで全体練習は続いた。
佐々木監督は「(センバツに選ばれても)秋の背番号は白紙。全員にチャンスがある。特に内野手がいない」と課題を明言、選手の動き一つ一つに厳しいゲキがとぶ。

年内の練習は12月24日の午前中で終了。親元を離れて野球に打ち込む部員が多いことから年末年始の休みは長い。今年は1月10日が練習始め。休日は17日間、不安はないのだろうか。
「不安もノルマも一切ありません(笑)。体を大きくしようとずっと言っているよね?1月10日から練習って分かってるよね?動けなかったらどうなるか分かっているよね?だったら休みの過ごし方も決まってくるよね?って感じです」。


佐々木監督、端正な顔立ちにさわやかな笑顔。でも熱くて厳しくて、恐ろしい。(取材・撮影:長壁明)

後編へ続きます

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