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【花咲徳栄】甲子園優勝へ繋がったオフ期間の練習・トレーニング(後編)

2018.1.19

昨年、埼玉県勢初の夏の甲子園優勝を果たした花咲徳栄。さらに秋には3番を打った西川愛也、甲子園優勝投手となった清水達也投手がそれぞれドラフト指名も受けた。
充実した1年を過ごした花咲徳栄が「甲子園優勝校」として迎える初めてのオフシーズン。どんな練習、トレーニングに取り組んでいるのか、レポートの後編をお届けします。


今年も健在!花咲徳栄のオフトレーニング

打線の破壊力を生み出したハンマータイヤ叩き

昨夏の甲子園では『6試合全てで9得点以上』という攻撃力をみせた花咲徳栄。全国の強豪校のエースたちを打ち砕いた打線の破壊力は記憶に新しい。その破壊力を生み出した要因の1つがハンマーを使ったタイヤ叩きトレーニングだ。

10kgと15kgのハンマーを使い分け、各選手バッティング練習の合間に1日計200回以上叩く。ただ叩くだけではなく、タイヤに弾かされないよう『押し込んで止める』ことがポイントだ。そうすることにより手首と広背筋が効率よく鍛えられる。昨年のチームから取り入れたこのタイヤ叩きには実はこんなエピソードがある。

「同じ埼玉県の聖望学園に行ったとき、選手たちが練習後にやっていた姿を見たんですよ。聞いてみると『握力が凄くつきます』と言う。それでうちもやってみようと取り入れたんです。現代は情報が溢れているからこそ、指導者も日々勉強しないといけません。ただ、何が正解かはやってみなければわからない。なによりチャレンジ精神が大切なんですね」(岩井監督)

チューブトレ―ニングでフォーム確認

野球の練習は大きく分けて二つのカテゴリーがあると岩井監督は言う。即効性のある練習と、継続的な練習だ。継続的な練習とは2、3年のスパンをかけて行う走り込みや、ウエイトトレーニングを指す。即効性の練習とは、簡単に言えば打者ならバットの近く、投手ならボールの近くの部分を指す。つまり、手首・握力・指の力を鍛えることだ。

投手陣がオフの期間に行うのがチューブトレーニングだ。これはフォーム固めと、指の力を強化することができる。コツとしては、自分の動作をチェックしつつ、速く動かすのではなくゆっくり動かすこと。こういった地道なトレーニングを積み重ねることで、投手陣は一冬で必ず5〜7キロは球速が上がるという。

さらに投手陣が行うトレーニングとして「アトム背筋」がある。選手が二人一組になり、背筋とハムストリング(太ももの裏)を鍛える過酷なトレーニングだ。

アニメの『鉄腕アトム』が空を飛ぶように両手を前に出す姿勢から背筋を使い、上下運動を行うのがアトム背筋だ。1セット10回×10が投手陣の日課である。

ただ走れば良いという考えは古い

「僕が高校生だった頃は、冬と言えばやはり“走る”ことに比重を置いた練習でした。ですが、科学が進歩している中、知識豊富なトレーナーもいます。ただ走れば良いという考えは古いですね」と岩井監督は語る。

同校にはコンディショニングコーチとして指導力に定評のある塚原謙太郎氏が付いている。最先端のトレーニングを提案し、選手たちは日々向上心を持って練習に取り組んでいる。

岩井監督は最後に「花咲徳栄だからといって〇〇だ、といった決まった形があるわけではないんです。毎年入ってくる選手の色は違いますし、それに全国で勝つためには野球に関わっていく全てを万遍なく鍛えていかなければなりません」と言った。

昨年、甲子園優勝という目標を達成したが、ナインに慢心は一切ない。しかし、甲子園連覇という目標を立てることが唯一許されていることは事実。士気は日に日に増すばかり、今から来夏が待ち遠しい。(取材・児島由亮、撮影:武山智史)

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