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【報徳学園】「ヘッドスピードを上げることによる多様なバッティング」目指して取り組むトレーニング

2018.1.15

春夏合わせて甲子園出場35回、優勝3回を誇る、激戦区兵庫の中でも屈指の実績と実力をもつ報徳学園。昨年の選抜でもベスト4入りを果たしたことは記憶に新しい。しかし夏は兵庫県大会準決勝で惜しくも1点届かず神戸国際大附属に敗れると、2年連続の選抜出場を目指した秋も同県大会3回戦で姿を消した。9月30日に年内の公式戦を終えたチームには、10月からは早くもトレーニング系の練習メニューが加わった。例年よりも長い冬にみっちり鍛え、夏の甲子園出場を目指す。


報徳学園は1学年40人前後の選手がいるため、2学年だけでも大所帯となる。しかし、意外にもグラウンドは他クラブと共用。左中間のすぐ後ろにはラグビー部が、投手陣がランニングを行うトラックの中ではハンドボール部が練習に取り組んでいた。外野ノックが全く出来ない程ではないが、強豪校としては十分でないスペースで行われていたのは5班に分かれてのトレーニングだった。

5班に分かれてローテーションで行うトレーニング

バッティング練習

・打撃投手を相手にバックネットに向かって3ヶ所で
・打ちやすいところだけでなくテーマを持ったティーバッティング

ティーバッティングは打ちやすい球を打つのではなく、ストレート待ちで変化球が来た場面を想定している。

・バットだけでなくトンボも使った素振り

腕だけでは振れない。意識するのは体幹の安定。トンボスイングの後にはすぐに普通のバットで素振り。体幹を意識した感覚を体に染み込ませる。

瞬発力トレーニング

瞬発力強化を目的に陸上部の朝練に参加したことがきっかけで数年前からメニューに加わった。止まらずテンポよく行う。器具は陸上部から借りたもの。

盗塁&ノック

投手役の選手の動きに合わせてスタートを切る。ライト後方では縦ノック

このメニューを時間で区切ってローテーションで回す。ノックやキャッチボールは年間通して行っているが、やはり冬の間は振ること、鍛えることに時間を割く。

ちなみに、野手が5班に分かれて上記トレーニングを行なっている間、投手陣は面白いキャッチボールを行なっていた。

柔らかいボールを使ったキャッチボール

しっかり前で離さないと回転のいいボールが投げられない。リリースと軌道をイメージして投げる。

目指すは「ベンチも含めた全員が長打を打てるチーム」

現チームの打撃力は選抜でベスト4入りした旧チーム以上で、攻撃力には大きな自信を持つ。キャプテンを務める神頭勇介はさらなる打撃力アップを冬のテーマに挙げ、このオフ期間の取り組みを語ってくれた。「もともと打ち勝つチームなんですけど、秋は県大会で負けてしまったのでそれ以上のチームを作るために、ウエイトと下半身を強化しています。春には1番から9番まで、そしてベンチも含めた全員が長打を打てるチームを作りたいです」。

昨秋の明石商業戦では毎回のようにチャンスを作りながら勝負所であと1本が出ず、自慢の攻撃力も稲葉悠の本塁打による1得点のみに抑えられた。「ベンチも含めた全員が長打を打てるチーム」になるために、このオフ期間にウエイトと下半身強化に取り組み、さらなる長打力アップを誓う。

報徳名物「甲山トレーニング」

報徳学園にはウエイトトレーニング器具の揃ったトレーニングルームの他に、下半身を鍛えるにはもってこいの練習場がある。学校から約6km離れた甲山(かぶとやま)だ。クロスカントリーが行われるような険しい山道が続き、長い坂道や階段をダッシュやケンケンで駆け上がる。取材日の練習はグラウンドで行われていたが、前日は甲山で3時間トレーニングを行なっていた。報徳学園の新入生はまず春先に徹底的な走り込みを行う。入学時に80キロあった、前述のキャプテン神頭の体重は2ヶ月で69キロにまで落ちたという。その走り込みを乗り越えた選手をもってしても「きついです!」と口を揃えるのが甲山トレーニングだ。

選抜に出場する年は1月下旬頃から徐々に実戦に近いメニューが入ってくるが、今年は2月中旬までトレーニング系のメニューが続く。昨年を含め選抜には近年何度も出場しているが、夏の甲子園となると2010年以来遠ざかる。今年の夏は記念大会となるため兵庫からは2校が出場可能。昨秋に敗れた明石商業は別地区となるが、それでも報徳学園が入る東兵庫には昨夏の代表校・神戸国際大附属や育英、神港学園など実力校がひしめく。

キャプテン神頭は「100回記念でどこも力入れてきますけど、県大会は圧倒して夏、甲子園でもどことやっても勝てるぐらいのチームを作って優勝出来るようにしたいです」とチームの思いを代弁する。

報徳学園の所在地は兵庫県西宮市で、高校野球の聖地までは直線距離にして約6km。甲子園に"出場"するためではなく、甲子園で"優勝"するために冬のトレーニングに励む。(取材:小中翔太、撮影:大江眞一郎)

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