カラダづくり

【鳴門】厳しい練習と食への意識で心も身体も逞しい成長を

2019.12.26

食トレの導入により心身ともに大きく成長

練習の途中には補食タイムも設けられている。下宿をしている選手は「毎朝、自分でおにぎりを握っています」と話す。
森脇監督は、食トレを始めてすぐに小さな変化に気づいた。まず、部室のゴミ箱にお菓子や炭酸飲料などのゴミがなくなっていたのだ。選手たちは、練習の前後にこれまで口にしていたお菓子ではなく小魚やナッツ、オレンジなどを食べるようになった。また冬場、風邪やインフルエンザにかかる者もいなくなり、春には他校の監督さんから、「腰回りが随分しっかりしているなぁ」と声をかけられたという。今夏の地区予選では熱中症にかかる選手もおらず、故障も減った。こうした身体の変化は、プレーにも如実に現れた。投手はスタミナがついて、それまでよりも長いイニングを投げられるようになり、打者は打球がひと伸びするようになった。

ゲージに入ってのバッティング練習。ときに大きな声をあげながら自分を鼓舞している姿が印象に残った。
トスバッティングによりミート力を磨く選手たち。ポジション毎に担当のコーチたちが指導を行なっている。
メンタル面でも変化は出てきた。県選手権大会準決勝の徳島商業戦は延長10回の裏に1点をもぎ取り、サヨナラ勝ちを収めたが、まさに粘りの勝利。自分たちの頑張りを信じた選手たちの諦めない気持ちを感じた一戦だ。「もちろん、食事面でサポートしてくれているご家族を甲子園に連れていきたい、という選手たちの気持ちも出たのでしょう」と森脇監督は振り返る。

練習中の水分補給は、薄めたスポーツドリンクや麦茶などをとっている。
監督自身もセミナーの受講などを通して、食の知識をより深めている。「普段、口にするものがどれだけ大切か、何をどうとれば健康な身体づくりができるのか、目の前の選手たちがそれを証明してくれています」と話す森脇監督。厳しい練習と食トレにより成長した選手たちを見守りながら、今後も「心身ともに逞しいチームづくり」を進めていく考えだ。(取材・文:阿部美岐子 写真:国貞 誠)

野球部・監督 森脇 稔 (もりわき みのる)
1961年徳島県鳴門市生まれ。鳴門高校から法政大学へと進学。1985年から1995年まで母校で社会科教諭、野球部監督となる。2007年に鳴門高校に復帰。甲子園10回出場。


鳴門高校
所在地 徳島県鳴門市撫養町斎田字岩崎135‐1
学校設立 1909年
直近の戦績 2019年夏・県大会優勝、全国高校野球選手権2回戦

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