新チーム結成後から夏の大会まで47勝10敗6分と勝率8割の成績を残しながら、指揮官からは常に「まだまだ」と言われ続けたナイン。強くなりたいと必死で練習を重ねた結果、4年ぶりの甲子園出場を果たした。
指揮官の言葉を信じて目標を達成し甲子園へ
昨夏の岡山県大会決勝、注目のエース西投手を擁する創志学園との戦いで、歓喜に沸く相手の姿を部長としてベンチで見ていた佐藤先生。試合は初回から相手に点を奪われ主導権を握られたまま敗退。このとき佐藤先生は創志学園の身体の強さを感じたという。
「うちのレギュラー陣は身長からマイナス100が体重になることを目標としていましたが、創志学園は身長からマイナス95ぐらいでした。身体も大きかったですしパワーもありました」。
「今年のはじめ〝3月から7月までにチーム本塁打が30本を超えたら夏の大会で優勝できるぞ〟と選手にハッパをかけました」。選手はその言葉を疑うことなく素直に信じ続け、長打力を磨き34本塁打を放つ。その結果、夏の岡山県大会では、ノーシードから一気に頂点へと駆け上がった。甲子園ではチームとして初勝利を飾ったが3回戦で敗退。試合後、ナインは夏の大会のチームテーマだった「笑顔」で甲子園を去った。
最後まで笑顔を貫いた選手をみて、「かわいいですよね」と佐藤先生の表情がゆるんだ。