厳しい練習とトレーニングを行うチームも多いオフシーズン。特に冬休み期間は朝から日が暮れるまで練習、トレーニングを行うチームも多いと思います。エネルギー消費も激しくなるため補食が大事になってきますよね。そこで効果的な補食のとり方などについて、トレーナーの西村さんにお話を聞きました。
基礎体力を高めるためには土台となる体づくりが必要不可欠です。練習やトレーニングと適切な休養、そして体を動かすために欠かせない栄養についても必要な栄養素をバランスよく、十分に摂ることが大切です。野球選手は練習や試合で激しく動くため、三食をしっかりと食べることに加えて練習前や練習後を中心に補食をとって、必要なエネルギー源を中心に補うようにしましょう。
練習前のタイミングでは「運動中に消費されるエネルギー源を補給する」目的で糖質を中心に摂るようにします。消化吸収にはある程度時間がかかるため、小分けにしたおにぎりやパン、バナナ、100%果汁ジュースといった比較的早くエネルギーとして活用できるものが適しています。カロリーやエネルギーを補給する栄養補助食品などを準備することも良いでしょう。また練習をしていると汗をかき、体の水分やミネラル分が奪われていくため、水分補給や塩分補給(タブレットや塩飴、塩昆布など準備しやすいもの)もあわせて行うようにしましょう。
練習後に補食をとる時は「失われたエネルギー源の補給と傷ついた筋組織を修復するための栄養素」をあわせて摂るようにします。これは糖質とあわせてタンパク質を含む食材を選ぶということです。具体的にはおにぎりの中でもタンパク質を含むもの(鮭、ツナマヨ、かつお、納豆など)、サンドイッチではハムや卵などが入ったものなど。またどら焼きや羊羹といった和菓子には餡(小豆)が含まれるため、糖質とあわせてタンパク質補給にも役立ちます。一口サイズのチーズや飲むヨーグルトなどはタンパク質に加えてカルシウムの補給にもなります。
練習後の補食は夕食に影響が出ないように350kcal前後を目安とし(おにぎりを1、2個と飲み物)小腹を満たす程度にとどめておくことも大切です。補食でお腹を満たしてしまうと、ボリュームのある夕食が十分に食べられないということも考えられるからです。大量のタッパー飯(またはおにぎり)に生卵、味噌汁といった組み合わせの補食は、栄養バランス的には問題ありませんが、できればこの量を練習前後に分けて摂るようにし、あくまでも夕食までの「つなぎ」として補食を活用しましょう。(西村典子)
練習前に一口大のおにぎりを食べてエネルギーを補給する
著者プロフィール
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。
関連記事
-
炭水化物と合わせて摂りたいたんぱく質。筋肉の材料になるたんぱく質を補食で積極的に摂ろう2016.4.14
カラダづくり -
食べる量は足りてる?2015.4.27
カラダづくり -
コロナ禍で食トレも工夫日々の意識向上で甲子園へ〜石橋高等学校(栃木県)〜2021.7.24
カラダづくり