カラダづくり

【静岡】基本は健康な身体づくり!寮生も自宅生も同じ意識で

2019.12.23

過去5年間で春3度、夏3度の甲子園出場を果たしている静岡県立静岡高校。県内屈指の進学校でありながら、コンスタントに全国の舞台で成績を残している。そんな静岡高校での食事に対する取り組みを取材した。


約10年前から選手の食事指導を本格的に着手

1878年に創立と県内でも随一の伝統を誇る静岡高校。野球部も1896年に創部し、夏の甲子園優勝1回、準優勝2回と輝かしい実績を誇る。しかし1990年代に入ると私立の台頭もあって甲子園出場ら遠ざかる時期もあった。

2008年には県内のライバル校である浜松工でも指揮を執っていた栗林俊輔監督が就任。2016年に出場した還抜大会ではベスト8に進出するなど、全国でもコンスタントに勝てるチームを作り上げた栗林監督に、食事に力を入れるようになったきっかけについて聞いた。
「前任の浜松工時代からプロテインやサプリメントを摂取するなど身体づくりに対する意識を持っていました。はっきリしたきっかけがあったわけではないのですが、現在のようにチーム全員で専門家に食事指導をしていただくようになったのは自分がここに来て2年目くらいから。今年で約10年たちました。大事なのは全員で同じ意識を持って徹底して取り組むことです」。



最初は手を上げた選手だけが取リ組んでいたそうだが、すぐに全部員でやるようになった。専門家による指導のメリットをこう話す。
「自分も可能な限り一緒に聞くようにしているんですけど、やっぱり専門家なので分かりやすく説明してくださいます。選手たちは上手くなりたいという意欲が高いので、納得すれば積極的に取り組みます。その納得感を得られるうえ、食生活、食習慣を見直すことで身体にも変化が出るので自分の成長を分かりやすく実感できる。それが自信に繋がります」。



食トレにとって一番大切なのは継続することだと栗林監督は語る。
「10年閻も続けていると、食トレがチームにとって当たり前になる。入学してきた1年生は食事に対する意識は高くないのですが、先輩が熱心に食トレに取り組んでいると、下級生もやらなくてはならないと感じるようです。チームとして習慣になっていることは確実にプラスになっています」。

野球で学んだことを生かし人としての成長を目指す

栗林監督が指導するうえでもっとも大事にしているのは勝つことと、人としての成長の両立だ。
甲子園出場を自指しながら、グラウンドで全カプレーを心がけ、そこで学んだことを学校生活にも活かすことを重視しているが、食事もそのひとつの例と言える。
「しっかリ食事をして栄養を補い、健康な身体をつくるというのは野球に限らず大事なこと。グラウンドで元気にプレーするために食事は必要不可欠です。食事は日々コッコツと取り組むことが大事だと思っています」。




栗林監督の掲げる指導のモットーは『凡事徹底l。それは野球のプレーだけでなく学校生活にも及
「甲子園という舞台は、みんながそこを目指すという遥旗じるしクだと思うんですね。―つひとつ勝ち進み、甲子園を目指して全員で一丸になる、ただそれが目的ではありません。我々は最終的には人として成長することを目指して取り組んでいます。高校生ですから当然勉強もしないといけないし、野球以外の生活も大事です。続けて新チーム結成時についても持論を唱る。
「秋は3年生がいた頃のチームに比ベミスが多いのは当たり前なので、ミスしてもがっかりする必要はありません。ただそれを次に生かす行為を積み重ねていくことで、できることの基準を高めていくことが重要なんです」。

この秋は惜しくも準々決勝で敗れ2季連続の甲子園出場は逃すことになったが、チャンスは春以降まだまだ残されている。日々の練習も食トレについても、長年継続し続けてきたことが静岡高校の強さの原因となっていることは間違いないだろう。(取材・文:西尾典文/写真:小沢朋範)


野球部監督・栗林俊輔
1972年生まれ静岡県出身。磐田南、筑波大学では捕手としてプレイ。大学卒業後、磐田北、浜津工で監督を務め、2008年に静岡高校の監督に就任。保健体育科教諭。



静岡高校
所在地 静岡県静岡市葵区長谷町66
学校設立 1878年
直近の戦績2019年夏•県大会優勝、全国高校野球選手権1回戦

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