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【センバツ高校野球2019】注目選手と見どころ

2019.3.22

今月23日に開幕する選抜高校野球。全国から選ばれた32校によって紫紺の大優勝旗を目指す戦いが繰り広げられるが、4つのゾーンごとに見どころ、注目校、注目選手などを紹介したいと思う(学年の明記のない選手は3年生)。


いきなり優勝候補同士の激突!

Aゾーン

呉(広島)vs 市和歌山(和歌山)
高松商(香川)vs 春日部共栄(埼玉)
履正社(大阪)vs 星稜(石川)
日章学園(宮崎)vs 習志野(千葉)

「関西を代表する本格派サウスポー」清水大成(履正社)

いきなり優勝候補同士の激突となった履正社と星稜の対戦は1回戦最大の注目カード。星稜は秋の明治神宮大会決勝で敗れたものの、エースの奥川恭伸は秋に大きく成長を見せ、その安定感は今大会ナンバーワンの呼び声にふさわしいものがある。その奥川と小学校時代からバッテリーを組む強肩捕手の山瀬慎之助、リードオフマンの東海林航介、入学直後からショートとして活躍している内山壮真(2年)など昨年の甲子園を経験している選手が多いのも強みだ。一方の履正社も総合力では負けていない。エースの清水大成は140キロを超えるスピードと変化球の精度を備えた好左腕で、トップバッターの桃谷惟吹、中軸の小深田大地(2年)、井上広大など力のある打者も揃っている。戦力的には互角で、勝ち上がったチームが準決勝まで進む可能性が高いと見る。
他のチームでは春日部共栄の村田賢一、習志野の飯塚脩人の両エースに注目。村田はコーナーを突くまとまりのある東京で試合を作る能力が高く、打者としても非凡。一方の飯塚はリリーフでの登板が多いが、145キロ前後のストレートで押すピッチングは迫力十分だ。二人のでき次第では上位進出も十分に期待できるだろう。

横浜及川vs明豊打線!津田学園にも注目!

Bゾーン

明豊(大分)vs 横浜(神奈川)
米子東(鳥取)vs 札幌大谷(北海道)
津田学園(三重)vs 龍谷大平安(京都)
盛岡大付(岩手)vs 石岡一(茨城)

ドラフト上位候補としても注目が集まる及川雅貴(横浜)

注目は横浜の及川雅貴と強力打線の明豊の対決。及川は140キロ台後半のストレートと打者の手元で鋭く変化するスライダーはいずれも超高校級で、今大会に出場する投手の中で最高の脱三振率を誇るサウスポー。一方の明豊は出場校中2位となるチーム打率.376を誇る。明豊打線が立ち上がりに不安のある及川を序盤にとらえられるかがポイントとなりそうだ。
上記の2校以外も有力校は多く、札幌大谷は明治神宮大会優勝校。飛び抜けたチーム力があるわけではないが、本格派の西原健太、技巧派の太田流星のタイプの異なる投手二人を中心に落ち着いた試合運びが目立つ。ダークホースとなりそうなのが東海大会準優勝の津田学園。最速148キロ右腕の前佑囲斗、俊足巧打のトップバッター大音壱汰、秋の東海大会3試合連続ホームランの前川夏輝など力のある選手が揃っている。近畿王者の龍谷大平安は難敵だが、勢いに乗ると上位進出も大いに考えられるだろう。石岡一のエース岩本大地と盛岡大付の強力打線の対決も楽しみだ。

地区大会優勝校が4チーム集結!

Cゾーン

山梨学院(山梨)vs 札幌第一(北海道)
筑陽学園(福岡)vs 福知山成美(京都)
広陵(広島)vs 八戸学院光星(青森)
富岡西(徳島)vs 東邦(愛知)

「東北を代表する強打のショート」武岡龍世(八戸学院光星)

筑陽学園、広陵、八戸学院光星、東邦と秋の地区大会優勝校が4チーム揃ったCゾーン。中でも投打のバランスでは広陵が一歩リードのように見える。秋の明治神宮大会は初戦で星稜を相手にまさかのコールド負けとなったが、河野佳石原勇輝、森勝哉と力のある投手を複数揃え、打線も破壊力こそないもののしぶとい打者が揃っている。組み合わせ的に厳しいゾーンに入ったが、頂点を狙えるだけのチーム力はあるだろう。
春に強いと言えば広陵だけでなく東邦も忘れてはいけない。チーム打率は出場校中トップで、昨年から中心の石川昂弥熊田任洋の二人はプロも注目する強打者。秋は不調だったサウスポーの植田結喜が復調すれば一気に頂点も見えてくるだろう。
他のチームでは筑陽学園の大型右腕西舘昂汰、山梨学院の主砲野村健太、八戸学院光星の三拍子揃ったショート武岡龍世などに注目だ。

近畿の2校がわずかにリードか?

Dゾーン

明石商(兵庫)vs 国士舘(東京)
松山聖陵(愛媛)vs 大分(大分)
啓新(福井)vs 桐蔭学園(神奈川)
熊本西(熊本)vs 智弁和歌山(和歌山)

1年春からベンチ入りしている強打の内野、黒川史陽(智弁和歌山)

戦力的に飛び抜けたチームは不在で混戦模様のDゾーンだが、明石商と智弁和歌山の近畿勢2校がわずかにリードしているように見える。明石商は昨年夏の甲子園で1年生ながら最速145キロをマークした中森俊介(2年)と秋に急成長した宮口大輝の両右腕に安定感があるのが何より大きい。入学直後から1番を任されている来田涼斗(2年)も注目の巧打者で、チームに勢いを与える存在だ。
その明石商に昨年秋の近畿大会ではまさかのコールド負けを喫した智弁和歌山だが、こちらも戦力は揃っている。強肩捕手の東妻純平、強打の二塁手黒川史陽は下級生の頃からチームの中心で、大舞台での経験も豊富。課題の投手陣にめどが立てば上位進出の可能性はぐっと高くなるだろう。
他のチームでは関東大会で劇的なサヨナラホームランを放った森敬斗(桐蔭学園)、細身ながら打撃センスが光る黒川麟太朗(国士舘)などに注目したい。(文・西尾典文)

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