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【東邦】AI搭載マシンを使用したバッティング練習

2018.12.13

今秋の東海大会で頂点に立ち、2年連続のセンバツ出場を当確にしている東邦(愛知)。2016年夏の甲子園では、八戸学院光星(青森)を相手に終盤で7点ビハインドをひっくり返したミラクル劇も記憶に新しい。看板となった全国屈指の強打線など攻守に地力が際立つが、どのように強さを築き、維持し続けているのか。その練習に迫った。


東邦は校舎は名古屋市内にあるが、野球部のグラウンドは東郷町にある。平日の放課後はバスで30分弱かけてグラウンドへ移動し、夜7時半ごろまで全体で練習する。寮に住む部員は1学年あたり数名ほどいる状況だ。

ティー打撃、フリー打撃

前篇で紹介したように、東邦の練習は4種類のメニューを特に時間をかけて取り組む。そのうち打撃に関するものがティー打撃とフリー打撃だ。土日などはそれぞれに40分かけるから、フリー打撃とティー打撃を合わせれば一人あたり80分間、打ちっぱなしということだ。スイングの絶対量が強打線の源だ。



使うのは木製バットのみで、金属バットは使わない。ティー打撃では通常より5~10センチほど長い「長尺バット」や、重さ1.4キロのバットも用いる。長尺バットはヘッドが遅れて出るから、バットの使い方を覚えられるし、重いバットを振ることでトレーニングも兼ねられる。

フリー打撃では当然試合を想定し、さまざまなテーマや制約のもとで振る。約400万円で購入したAI(人工知能)搭載のピッチングマシンがあり、多くの球種が多様な配球パターンで出てくる。



コースへの対応力アップにも余念がない。たとえばフリー打撃では、「インコースをファウルにする」ことを徹底して練習する日もある。試合で厳しい球をファウルで粘り、根負けした投手の甘い球を仕留めるためだ。今秋の県大会準決勝で好投手・山田紘太郎(西尾東)を攻略した試合後、森田泰弘監督は「追い込まれてからよく粘っていた」と話していたが、こうした練習の成果だ。ほかに「今日は外角しか打たない」という日もある。

低目の変化球は手を出さず、見逃す。追い込まれてからはバットを短く持ち、外角球を踏み込んで逆方向へ打つ。打撃練習で徹底的にこうしたワザも身につけ、シュアな打線になっていく。


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