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【龍谷大平安】冬場は2時間!原田監督に聞く入念なアップの意図と極意(前編)

2018.11.22

可動域を広げ関節を柔らかくする

ナインがグラウンドに到着すると、まずは原田英彦監督を囲んでミーティングが始まった。ちょうど神宮大会を終えた直後。秋の近畿大会で優勝した喜びよりも、神宮大会初戦で札幌大谷に敗れた悔しさを噛みしめていた。「近畿大会で積み重ねたものが神宮大会でなくなった。この冬が勝負やぞ」。ナインは指揮官の熱の溢れる言葉に真剣な表情で耳を傾けていた。



そしてグラウンドに散った選手たちはバッグをベンチに並べると外野方向で整列し、ランニングを開始。その後、龍谷大平安の名物でもある入念なアップが始まる。

龍谷大平安のアップは、今や野球界のみならず広くスポーツ界でも話題になっている。その種類は今や2000種類を超える。その反響の大きさにすでにDVD化もされており、参考にするアスリートもいるほどだ。
そもそも、こういったアップを取り入れるようになった理由はどこにあるのだろうか。チームを率いて25年を超える原田英彦監督はその経緯をこう明かしてくれた。
「私が監督就任2年目から一緒に指導させてもらっている中田さんというコンディショニングコーチがいまして、その方は体の柔軟性や可動域を大事にされている方なんです。僕自身が社会人時代に体作りを失敗したこともあって、体作りを重視されているそのコーチと成長期にある子供たちに関するトレーニングや、最大のパフォーマンスをするためには何が必要か一緒に考えるようになりました。高校生の体を作るためには、まず可動域を広げることや関節を柔らかくすることなど…。その考えが中田さんと一致して、以降様々な部位を使ったアップを行っています」。



ただ、この種類の多さには理由がある。実は各年代によってアップの方法が違っているのだ。選手の年代ごとに細かく首や手首、足首の角度を測って集計したチャートがあるのだが、個人の柔軟性と筋力を数字にし、傾向をあぶり出す。「たとえばこの学年は下半身が硬いとか、上半身が弱いとか、各学年特徴が出てくるんです。そこに基づいて内容を変えたり工夫をして、その学年に見合ったメニューを考えます」。


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