
朝のバッティング練習が終わるとすぐにグループに分かれて試合形式の実践練習が始まる。試合では各打者の成績を加点方式で点数をつけ、それをチームで共有し、選手全員の投票によって大会のベンチ入りメンバー17名を選出するという。「あとの3名だけは監督・コーチでポジションの偏りを確認したり、チームの雰囲気を上げる元気のいい選手を選んだり」とここでも選手主体のチーム運営が徹底している。
一方でクロスフィットと呼ばれるサーキット形式のトレーニングに取り組んでいるグループは、毎日変わるトレーニングメニューを確認しながら、時間や回数によって体を追い込んでいた。
一つ一つのエクササイズは短くても集中してできることや、トレーニングメニューが毎日変化するので同じ部位に大きな負担がかかりにくく、飽きがこないこともそのメリットとして挙げられる。
「クロスフィットを続けることで選手たちの体にも変化が現れ、疲労からの回復力が高まった」
と神谷監督は話す。
全体練習ではクロスフィットをメインに行うが、これ以外にも必要な選手はウエイトトレーニングなどに自主的に取り組んでいるという。

試合形式の実践練習ではベンチからの声も大きく、ヒットでランナーに出た選手は積極的に次の塁を狙っている。これも加点方式によりシングルヒットよりもツーベース、スリーベースの方が点数が高いためだ。欲張って次の塁を狙ってたとえアウトになったとしてもここでの減点はない。

「こうした試合の中での“暴走”練習も行っています。どのぐらいでセーフになるのか、アウトになるのかは繰り返し経験して覚えることが大切。美里工業は積極的な走塁を評価されることも多いですが、特別なことをしているのではなく、実践あるのみです」。
試合形式の練習では塁間にはさまれる挟殺プレーや、次の塁を狙ってアウトになるケースもたびたび見られたが、明確な意図のもとに選手たちは時に“暴走”となる走塁を行っていた。
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