確認・アドバイス・鼓舞・フィードバック
平田監督は、練習中の声かけにもテーマを与えていた。
「確認」
「アドバイス」
「鼓舞」
「フィードバック」
この4つの声かけを、状況や人に応じて、使い分けていく。
バント練習ではこんな“アドバイス”があった。一塁線を狙い過ぎたバッターに対して、「セカンド方向でいいぞ」と仲間の声。すると、次の球できっちりと送りバントを決めた。このあたりも、マインドセットに関わってくる考え方だ。
「秋の公式戦を終えてから、確認・アドバイス・鼓舞を徹底していて、最近新たにフィードバックを加えました。良いプレーも悪かったことも、しっかりと振り返って、仲間同士でアドバイスを送れるようになること。どれだけ主体的にやれるか。試合もないわけですから、この冬はそこにじっくりと取り組んでいきたいですね」
体を大きくしやすい冬場ということもあり、体作りにも力を入れる。シーズン中よりもトレーニングの量が増え、個々に設定した目標体重も存在する。ただ、こうしたすべての取り組みに通じるのは、「自らの意志で目標に向かってほしい」ということだ。指導者にやらされているようでは、本当の意味での強いチームにはなれない。
「最近はよく、モチベーションについて考えています。モチベーションが高まるのはどういうときか。『モチベーション3.0』という本にも書いていましたが、取り組んでいることそのものが楽しいことが一番の動機になる。では、その楽しさを感じるには何が必要かとなると、自分の成長を実感することと、自分で決めて自分でやり遂げたという自己決定感。指導者としてヒントは出しますが、最終的には自分たちで自己実現に向かってほしいと思っています」
それでも、「任せっぱなし」にすると、方向性がずれていくこともある。そうならないように、「課題を与え、起きたことに対して評価すること」を監督の役割と位置付けている。
12月後半から1月末にかけては、実戦練習はしばし休みとなり、トレーニング期に入る。バットを振る量、ノックを受ける量、走る量が増えていく。
自らの意志で主体的に取り組んだ先に、夏の神奈川4連覇、そして日本一が見えてくる。(取材・大利実/写真・編集部)
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