学校・チーム

【大手前高松】「奪進塁」で悲願の甲子園初出場を目指す

2018.7.13

自慢の走塁と長打の融合で甲子園への壁を破る




かつてイチロー選手が「打つ・守る・走る、という野球の3つの要素の中で一番難しいと感じるのは走ること」と言ったように、野球の走塁には奥深いものがある。だが、走塁技術を磨くことで、守る側に回った時に視点が変わることがあると山下監督を支える吉森智一副部長は語る。

「走塁の判断力は相手の動きを注視することから始まります。それは自分が守る時も同じで、相手のランナーを自然と観察するようになるんです。常日頃走ることに意識を向けることで見えてくる景色がある。外野手の守備位置を見て進塁できるか考えることで、自分たちが守る側になってもその考えがちゃんと生きるんです」。

大手前高松ではランナーコーチを“プランナー”と呼び、走塁のプランニングを任せている。監督の指示と、選手の考えを取りまとめる中間管理職のようなポジションだが、試合を左右する走塁面で力を発揮する。相手チームのポジショニングや配球の傾向、投手のクセを観察し、走塁を中心としたゲームプランを組み立てる。このように監督の指示を待つだけではなく、選手たちに主体性を持たせ試合に挑んでいるにはある人のアドバイスがあった。



「昨夏の甲子園で優勝した花咲徳栄の岩井隆監督とお話をする機会があり、色々と意見を参考にさせてもらいました。岩井さんのおっしゃるメンタルな部分に興味を惹かれました。『最後はチーム全員がゾーン(良い緊張感)に入っていけるかどうかにかかっている』と。理論がしっかりしている岩井さんでも、最後の最後はやはりメンタルなんだと。でも、準備がしっかりしているからこそ、良い精神状態になれるわけです。監督の指示待ちではなく、選手たちが主体性を持ち、大会期間中良い雰囲気を自分たちで作られようサポートしていきたいですね」。

「奪進塁」という部のスタイルに甲子園優勝監督のアドバイスを取り入れ、更なる進化を図る大手前高松。創部初の甲子園出場の夢に向かって一歩ずつ進んでいく。(取材・児島由亮、撮影・編集部)

次回は大手前高松の練習をレポートします。

「学校・チーム」関連記事

  • 1
  • 2


PICK UP!

新着情報