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【彦根東】課題を与えて考えさせる、3季連続甲子園を狙う文武両道校

2018.7.2

4時までの授業を終えた選手たちが、続々と自転車で約5分のところにある彦根球場にやってきた。すでに練習着に着替え、球場に入るとすぐさまアップを開始。時計を見ると4時半。7時半までの球場練習を有効に使うために、ナインはきびきびと動いていた。


チームを2季連続甲子園に導いている村中隆之監督

 ご存知の方も多いかと思うが、彦根東の校舎は彦根城の内堀と中堀の間にある旧彦根藩家老屋敷跡にある。重要文化財の中にある敷地のため、ボールが飛ぶ危険性も含め打撃練習はできず、簡易的な建物なども建てることができない。そのため自校グラウンドで行う練習は内野部分を使ったノックやティー打撃、またはトレーニングなどに限られる。昨年までは打撃練習は近くのバッティングセンターで行っていたが、昨年いっぱいで閉鎖され「練習場所を確保するために、今は必死なんですよ」と村中隆之監督は苦笑いする。

 球場での練習は1週間に1、2回。特にこの時期は夏の大会が控えているため、球場での練習は貴重な時間となる。この日はチームが二手に分かれ、自校に残る者は「パート練習」と称したトレーニング練習やランニングなどに励み、球場練習をする選手は実戦練習を中心に汗を流している。



「(練習内容の)工夫はこれと言ってやっていないんですよね。僕がすることは、課題を与えて、彼らに考えさせることです。幸いにもウチの選手は考えてやれる子が多いので、色んなケースを想定して、連動しながらどうやっていけるかを見ています。ただ、それが1人よがりになってしまわないよう、(答えに近い状況を)提案することもあります」。

 全体のノックを終えると、ナインはふたつのチームに分かれ、準備を始めた。
すると村中監督がナインにこう言い放った。
「8回表、5−2。打者が9番バッター。カウントは2ボール、1ストライクね」。

 そこで、2チームに分かれた選手たちでどんな攻め、もしくは守備シフトを敷くのか、与えられた5分の時間で作戦会議を始める。戦略が固まると選手たちがグラウンドに散っていき、仮想ゲームがスタートする。どんな攻め、守りをすべきか、村中監督はベンチから状況を眺めながら自ら持っている考えとすり合わせつつ、時には大きな声でアドバイスを送る。だが、決して“答え”は言わない。

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