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【慶應義塾】日本一になるため、新しいことに「挑戦」するオフシーズン

2019.1.21

毎週土日は紅白戦を実施



 「挑戦」を掲げた冬。

 昨シーズンと違った試みがいくつかある。

一.新しいトレーニングの導入(予定)
二.12月~2月の毎週土日は紅白戦・実戦形式
三.冬休みを短縮(従来は12月24日から15日まで休みだったが、今年は12月27日から1月5日までの休み)
四.メンタルトレーニングの導入
五.ポジションによる休日を導入(バッテリーは火曜日、野手は月曜日/グラウンドの有効利用)
六、学生コーチによる練習メニューの作成

 特に大きく変わったのが、オフシーズンに紅白戦や実戦形式を導入したことだ。例年、冬場はドリル(ゴロ捕りや打ち込み)やトレーニングにあてていたが、野球をやる時間を増やした。
「うちの強みは何かと考えたときに、試合における判断力や考える力だと思っています。ほかの強豪と対戦したときに、強みになるのはそこの部分。修羅場の場面でも、冷静に頭を働かせて、ベストなプレーを選択することができるか。そこをさらに伸ばすためにも、実戦的な練習を増やしていく。12月は毎週土日、紅白戦をやっていました」



 就任1年目から見ると、年々、冬場に野球をする時間が増えている。1年目はほぼトレーニング中心だったが、その成果が試合のパフォーマンスに直結しづらいことを感じ、2年目から少しずつ実戦を増やしていった。
「高校生を見ていて感じるのは、実戦的な練習をしていないと、野球がなかなかうまくならないということです。ゴロ捕りの形や、打ち方がよくなったとしても、試合で力を発揮できるかというと必ずしもそうではない。難しいバウンドへの対応や、試合における狙い球のしぼり方などは、試合をやっておかないと磨けない部分と感じています」



 試合をしていくと、カットプレーやカバーリングのミスも起こりうる。試合中でも試合後でも、そのミスについて話し合い、改善策を考えさせる。
「どんな選手でも、うまくできないことがあると考えるものです。その考えを、次の練習に活かすことができる。練習ばかりやっていては、試す場所がない。練習→試合よりも、試合→練習→試合のほうが、練習に対する意欲や意識が変わる。それはオフシーズンも同じだと思います」



 紅白戦はほぼノーサイン。選手たちだけでどこまでできるかを評価している。

 もちろん、体を大きくすることを怠っているわけではない。週2~3日のウエイトトレーニングに加え、補食にも力を入れる。栄養士を招いての栄養講座も開く。ただ、その一方でこんな思いがある。
「吐くまで食べるようなところもあるようですが……、野球がうまくなるかというとまた別の話だと思います。野球部に入っているわけですから、できるだけ野球をやらせてあげたい。うちのOB(大学生)を見ていると、大学に入ってから、体が大きくなる選手が多い。だから、高校時代に無理をしてまで、大きくする必要はないのかなとも思うんです。それこそ、優先順位をどこに置くかですね」

 冬の紅白戦となると、ピッチャーの故障が心配になるが、そこは気候を見ながら、ピッチングマシンを使うなどして臨機応変に対応する。(取材:大利実/写真:編集部)

*慶應義塾高校のオフトレ取材「後編」につづきます*


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