カラダづくり

【益田東】結束力で甲子園へ!全員で培う人づくりが誇り

2018.11.7

耳の聞こえない部員のため全員が指文字を覚えた

全員で行うウォーミングアップ。声と動きを合わせて行う益田東のルーティーンだ。「いま毎朝、行進の練習をしています。チームスローガンは『一体感』です」と大庭監督は言う。

今夏、甲子園出場を果たした3年生が中3のころ、益田東野球部に耳の聞こえない選手が入部を希望してきた。障害のある選手を受け入れたことのない大庭監督は「どうやってコミュニケーションを取ったらいいのだろう?」と考え、必死に指文字を覚えた。

驚いたのはここからだ。周りの選手たちも「自分たちも」と指文字を覚え、最後は81人全員“会話”ができるようになる。耳の聞こえないその選手は、最後の夏、エースとしてマウンドに立つまでの野球選手となった――。
グラウンドの入り口にある「甲子園坂」を使っての集合写真を撮影。急な傾斜は、下半身トレーニングにピッタリだ。

人としての思いやりや、仲間を受け入れる心。今の3年生たちはその教えを益田東で学ぶため、全国から集まった世代だ。

「甲子園に出ることを1番に求めるなら、ウチには来ないほうがいいと思う。もっと野球が上手な指導者はおるし、勝てる監督がいると思う。ただ…。人を育てるということには自信があります。夏の甲子園のアルプススタンドを見たときにね、OBとファンでぎっしり埋まっていたんですよ。また行きたい場所ですね」。
次の夢は創部初の「甲子園1勝」。大阪出身の大庭監督が、過疎の町で人を育て続けて15年。咲かせた花は、喜びと愛情にあふれた色をしていた。

甲子園の思い出


甲子園1回戦・常葉菊川戦は7-8で敗れたが、5点ビハインドから集中打で勝ち越しする意地を見せた。「甲子園って良い所だな」。甲子園練習でスコアボードを見つめた選手たち。スタンドもベンチも一体となって、憧れだった聖地を存分に楽しんだ。

益田東高校DATE

所在地:島根県益田市染羽町1-24
学校設立:1978年
直近の戦績:
2018年夏・県大会優勝 全国高校野球選手権1回戦
2018年春・県大会1回戦
2017年秋・県大会3位

(文・写真:食トレマガジン#7より)



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