2005年の選抜では県勢初のベスト4に進出した羽黒。しかしその後は県内でも勝ちきれない時期が続いた。そんな中6年前に就任した小泉泰典監督のもと、食事、生活を見直して体力面を強化。この夏は劇的な勝ち方で見事甲子園出場を勝ち取った。壁を乗り越え100回大会の切符を掴んだ改革とは。
選手とともに暮らし生活面の改善から着手
「コーチとして赴任して最初の2年間は寮で選手と一緒に生活していました。普段の様子や練習を見ていても熱心に取り組みますし、能力が低いわけではないのですが知識が少ないと感じることが多かったです。一生懸命やっているのに結果が出ないのはもったいないなと思いましたね。それまでも量は食べなさいとは言っていましたが、具体的ではなかった。それでたまたま大学の後輩が栄養指導を行っている会社に勤めているのを知って、そこから全員でしっかり学びながら取り組もうということになりました」。
監督が変わり、新しいものを取り入れる。そういった取り組みに対して選手や保護者から反発するという例も聞くが、羽黒の場合はタイミングも良かったことで、上手く取り入れられたという。「監督になった直後の秋の県大会で準決勝、3位決定戦と連敗して東北大会を逃して、チーム全体にもかなり悔しいという雰囲気があったんですね。そういうタイミングだからこそ何かを変えないと、という意識が働いて、選手も保護者の方もすんなりと取り入れられたようです」。