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【市立川越】コンスタントに好成績を残す公立校の取り組みと監督の考え(後編)

2019.5.28

夏に向けて失策、失敗ゼロへ!



新井監督が選手に対して口酸っぱく言っていたのが『準備』という言葉だ。バッターはどんなボールが来るのか、守備はどんな打球に対してどう対応するのか、それが疎かになっているようなケースに対してはプレーを止めてしっかり確認する指示が送られていた。

打者に対しては投手の決め球をどう『甘くするか』という言葉も聞かれた。フルカウントからの決め球は当然投手もウイニングショットを厳しいコースに投げ込んでくるが、そのボールをしっかり想定して、ステップやタイミングの取り方を工夫することで打ちやすくすることは可能だという考え方である。これもただ実戦形式で投手のボールを何も考えずに打つのではなく、意識をしっかり変えて取り組むことで試合にも生きてくることは間違いないだろう。



実戦練習の後は補食を挟んでトレーニングメニューが行われたが、その間に新井監督が選手に言っていたことは夏に向けて目指す野球の話だった。その言葉も紹介したい。

「夏に向けて考えていることは失策、失敗ゼロ。エラーだけじゃなくて失敗もゼロにすること。ピッチャーが狙ったボールを投げミスして甘く入ったのも失敗。それを初戦から決勝まで続けること。そうすればお前たちの力があれば絶対勝てるよ。そのためには目と心を使ってしっかり準備して、頭を整理しておく。今はまだそれができてない。夏までにそのことをしっかり考えてやっていこう」

現実的に考えてエラー、ミスがゼロになることは考えづらいが、それを目指して取り組み、そのための場面を想定して行う。そういう練習を積み重ねてきたからこそ、コンスタントに結果を残すことができてきたのだろう。そんなことを感じる市立川越の5月の練習だった。(取材・写真:西尾典文)

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