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【市立川越】コンスタントに好成績を残す公立校の取り組みと監督の考え(後編)

2019.5.28

2014年夏の埼玉大会で準優勝を果たした川越市立川越高校。その後も、2017年秋に関東大会出場(県大会準優勝)、昨年も春夏と県大会ベスト8に進出しており、激戦区埼玉でコンスタントに好成績を残している。そんな市立川越の5月の練習を取材したレポートの後編。


2年生、3年生のこの日のメニューはまずアップから行われたが、ここでもバットを持って体を動かすなど一部トレーニング的な要素が取り入れられていた。キャッチボールが終わり、全体でシートノックを行った後は翌日の練習試合のメンバーを中心にシートバッティングが行われ、メンバー外の選手はグラウンド脇の屋根のあるスペースでバッティング練習となった。



オフの期間はフリーバッティングも多く行うというが、夏が近づくこの時期は実戦を想定しての打撃練習が多くなるという。この日の想定はワンアウトランナー一塁、スリーボールツーストライクのフルカウントで行われた。その狙いを新井清司監督はこのように話してくれた。

「バッターはこの時期になるとちゃんとしたピッチャーのボールを打たないと試合では打てないんですよね。ピッチャーからするとフルカウントだからストライクを投げないといけないけど、打者は必ず打ってくるから甘いボールは投げられない。試合で簡単にストライクをとりにいって打たれることが最近目立ったので、ストライクでもちゃんとしたボールを投げようということで今日はこうしました」



ワンアウト一塁の想定だが走者は全てスタートを切り、打者はストライクのみを打つランエンドヒットの設定である。そうすると守備にも変化が多くなり、状況判断を養う訓練という意味でも効果が高くなる。ただ漠然と状況を設定するのではなく、それぞれの意味をしっかり理解して行うことで、打撃、守備、走塁、全てにおいて実戦力が効率よくアップすることができる練習になるだろう。

また練習の中でよく見られたのが、打者が打ち終わった後に投手に対して「今の(ボール)は甘かったよ」や、走者として控えていた選手が守備に対して「カバーはこっちじゃない?」といった具合に選手同士でアドバイスを行い合うシーンだ。新井監督も上下関係はほとんどないチームという話をしていたが、学年が違ってもプレーに関しては遠慮なく話す様子が印象的だった。



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