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【高校球児のための大学野球部ガイド】東京大学硬式野球部を紹介!

2019.4.8

野球も勉強も懸命に取り組んだ高校生は、東大野球部の門をたたいてもらいたい



――監督から高校生に対して、高校の間にこういうことをやっておいた方がいいというアドバイスはありますか?

浜田監督「一番は食事をしっかり摂ることですね。食が細い選手は大学に来てからも伸びるのが遅いです。高校のうちから食事もトレーニング、野球の一部だという意識を持ってほしいです。
しっかり食べて負荷をかけて体を大きくして体力をつける。大学生も高校生も技術の練習は楽しいから進んでやるのですが、食事やトレーニングはきついのでなかなか進んでやらないんですよね。先ほども話しましたが、技術を伸ばすためには体力が必要ですから。そのためにもまずはしっかり食べて体力をつけることを意識してほしいですね」

――高校球児に対して野球と勉強の両立という点でのアドバイスはいかがでしょう?
浜田監督「まず食べる話をしましたけど、勉強でも脳でカロリーを使います。一日フルに勉強したら500キロカロリーくらい消費してお腹が減るものです。だから勉強した後にお腹が減っていなければ大して頭を使っていないということだと思います(笑)。

あと両立という意味ではポイントは部活をやっている期間にあります。高校1年春から3年の夏までの2年半の間にどれだけ勉強する習慣をつけられるか。野球をやっている期間は疲れるので毎日全教科勉強することは難しいです。そんな中でも両立できる子の特徴は疲れているときでも集中できる好きな科目を持っています。数学が好きな子は疲れていても問題集を1ページ解いてから寝たりします。それが苦手な教科をやろうとするとすぐ寝てしまう。だから一つでもいいので、疲れていてもできる強みの科目を作ることは重要ですね。それが勉強する習慣に繋がっていくと思います」



――高校球児に対して大学野球を続けるとこんないいことがあるよ、ということがあればお願いします。
浜田監督「僕は大学に行くことの最大の目的は多様性の中に身を置くことだと思います。大学の4年間でアイデンティティを形成する。そう考えた時に一つの学部、学科の中にいるのはもったいないと思います。野球に限らずですが、部活に参加することで色んな学部と横の繋がりや先輩、後輩という縦の繋がりもできます。そうすることでアイデンティティの形成には凄く役に立つと思います。

あとは“部活”という環境はやっぱり本気でやることに意味があります。本気で取り組むから失敗経験も本気で自分に降りかかる。そういう経験をすることで社会に出た時に通用しやすくなります。遊びでの成功、失敗というのは社会に出てからの経験と大きく差がありますから。卒業後、大学での経験が本当に糧になりますね」

――合格するのはなかなか難しいですが東大野球部の良さ、東大で野球をすることの意義についてもお願いします。
浜田監督「先ほど多様性というお話をしましたけど、東大は多様性の最高峰だと思っています。学問のレベルでもそうですし、卒業後に社会に出て活躍する人も多い。そんな中に身を置いて本気で野球に取り組むということは意義があると思います。

あとはやはり伝統があるというプライドですよね。明治4年に野球を始めたという日本野球の開祖であり、天皇杯をいただいている東京六大学の一員である。そして文武両道の最高峰である。この三つのプライドが、我々が持っているもので、他にはないものだと思います。高校3年間、野球も勉強も懸命に取り組んだという高校生はぜひ東大野球部の門をたたいてもらいたいですね」


高校生へのアドバイスという話になった時に、「まずしっかり食べること」というのは少し意外な回答だったが、それも体を作り、体力をつけることが技術の向上に繋がり、強い相手を倒す手段に繋がっているというのは非常に分かりやすい話だった。
また、大学で野球をやることの意義、野球と勉強の両立という意味でも現役の高校球児には参考になることが多かったはずだ。この話を聞いて、一人でも多く東大野球部にチャレンジして、神宮を沸かせる日本最高峰の文武両道の選手が出てくることを期待したい。(取材:西尾典文/写真:編集部)



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