学校・チーム

【高校球児のための大学野球部ガイド】筑波大学を紹介!(前篇)

2018.2.21

国立大学で唯一全国大会(第18回明治神宮大会)優勝経験のある筑波大学。数々のプロ選手を輩出している東海大学、昨年秋に日本一に輝いた日本体育大学、新興勢力の桜美林大学など群雄割拠の首都大学リーグにおいて、昨年も優勝こそ逃したものの春秋とも2位に入るなど優勝争いを演じる力を持っているチームだ。スポーツ推薦の制度はあるものの、適用できるのは1学年にわずか3人であり、大半は入学試験をクリアしてきた選手でチームを構成している。率いるのは野球の研究者としても国内第一人者の川村卓監督だ。川村監督に限られた戦力の中で結果を残すために工夫していること、また筑波大ならではのメリット、練習方針などを聞いた。


練習だけでなく授業でも野球を学ぶ機会がある

――推薦入試以外の選手も希望すれば誰でも入部できるのでしょうか?

「もちろんです。簡単に言うとうちは基本的に地方の公立高校出身の寄せ集めですね。去年大学日本代表候補にも選ばれた種子島(大輝・4年)という選手も、滋賀県の進学校の膳所(ぜぜ)高校出身です。チームでは中心選手でしたが、県内では目立つような選手ではなかったと聞いています。一方で敦賀気比で甲子園優勝メンバーでU-18の主将もしていた篠原(涼・3年)のような選手もいますが、違うレベルでやってきた選手が同じチーム、環境でプレーすると良いこともあるんですよ。

実績のない選手からすると高校時代に甲子園に出たような選手はやたらと凄く見えるんですけど、いざ一緒にプレーしてみると決して全てが優れているわけではない。大事な場面では緊張するとか、そんな当たり前のことも感じて同じ目線で見られるようになるんですね。逆に実績のある選手が優れている部分も当然ありますが、そんな選手が打席でどんなことを考えているかということを知ると、相手と対戦するうえでもプラスになることも多いです」

――チームを作り上げていくうえでの方針、また筑波大野球部ならではの特徴はどんなものがありますか?

「まず下級生の間は練習でこちらから細かいことは言わないです。選手それぞれに今まで培ってきたものがありますし、それぞれ選手としてのタイプや特性も異なります。下級生の間は上級生になった時にどういう選手になるかということを自分で作り上げる期間だと思っていますね。入部してきて監督の自分からあまりに指示されないので最初は戸惑う選手も多いようです(笑)。でも基本的には体育学群の選手が多いので、野球部の練習だけでなく授業で野球のことも学ぶ機会があるんですよ。だからその時に自分の考えていることをしっかり伝えられる。これは実は大きいと思いますね」

――他にチーム運営で重要視している点はありますか?

「簡単な言葉で言うと自主性や主体性を重んじるということなんですけど、決して放任ではありません。こちらからはプロセスは伝えて、それを選手が実践しながら学ぶという形をとっています。当然選手が分からないと聞いてきたことはアドバイスします。

あとはチームメイトに対してなんでも言い合えるような関係性を作るようには言いますね。以前は議論が白熱してこちらが抑えることが多かったですが、最近は相手に気を遣って言いたいことが言えない選手も多いです。しっかり意見は言ったうえで、チームで物事を決める。そして決めたことに対しては全員で取り組むということを求めるようにしています。普段の練習もキャプテン、学生のヘッドコーチ、マネージャー、それぞれのポジションのリーダーが中心になって決めていますが、それぞれの役職は選手で話し合って決めるようにしています」


――川村監督の考える高校野球と大学野球の違いは何ですか?

「自分も高校の指導歴は短いので全てを理解しているわけではないですが、時間的な猶予があるというのが大きな違いだと思います。高校野球は入学して2年と半年もありません。だからどうしても選手にあれこれ教えないと間に合わないというのがあると思うんですね。大学は1年長いですし、4年生も秋まで試合ができることを考えると高校よりも1年半は長いと思います。ずっと故障していても4年生の最後に間に合って、活躍できるような選手もいます。今年BCリーグの石川からDeNAに入団した寺田(光輝)なんかはまさにそうですね。浪人してうちに入って、最後にやっとリーグ戦で投げられるようになったくらいでした。あとは先ほどの話にも通じますが、基本的に自分たちでチームを運営していくというのは大学野球の特徴だと思います」

「後編」へ続きます

(取材・撮影:西尾典文、編集部)

筑波大学データ

スポーツ推薦

ベンチ入り難易度
★★★☆☆

練習会、セレクションについて(2016年実績)
8月に練習会を実施(入試の合否には無関係)

グラウンド所在地
茨城県つくば市

レギュラー選手の主な出身校(2016年実績)
秋田南、日大三、報徳学園、膳所、鹿島(佐賀)

近年の主なプロ入り選手
寺田光輝(2017年:DeNA6位/伊勢高校→筑波大学→石川ミリオンスターズ)
坪井俊樹(2008年:ロッテ4 位/川崎工科)
藤井淳志(2005年:中日 大学生社会人3巡目/豊橋東→筑波大学→NTT西日本)
杉本友(1996年:オリックス 1位/川越)

プロ以外の主な野球継続チーム(社会人)
日立製作所、東京ガス、JX-ENEOS、JR東海、三菱重工広島

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