カラダづくり

【羽黒】冬に蓄えて春夏で開花!雪に対応して甲子園出場

2018.10.29

あと一歩のために選手の力で乗り越える


専用グラウンドはあるが十分な広さがあるわけではないため、脇にある通路も使って練習を行っている。

食トレによってチーム力は確実に上がったが、甲子園にはなかなかあと一歩届かない状況は打破できなかった。東北ならではの冬の長さ、春から夏が短いスケジュールも神奈川出身の小泉監督を苦しめた部分があったという。
「11月下旬から3月の中旬までは雪の影響でグラウンドを使うことができません。その影響で春の大会も開幕が遅いので、東北大会まで行くと春と夏の間が1か月しかない。春が終わった後に一度調子を落としてしまうと夏に間に合わないんですね。でもそれを言い訳にしてはいけないので、しっかり対応しようと一昨年の秋からは早い時間から朝練をするようにして、3月にも合宿をして春から夏に向けて体力が落ちない身体作りを目指しました。試合がない期間はかなり追い込みましたが逆に毎週日曜日は完全オフにしています。そうしないと身体も大きくなりませんし、疲労がとれずに故障に繋がりますから」。


走者をつけての実戦練習の様子。どこまでリードするかをラインで示すなど、チームの決まり事の確認に時間を費やしていた。

このようにして冬場に追い込んだ結果、今年の夏は見事に甲子園出場の扉をこじ開けた。そこには小泉監督が想像した以上の選手の成長があったそうだ。「今年は特に選手の意思を尊重しようと思って取り組みました。夏の苦しい場面で力を発揮するには選手が自分で考えて動けないといけないと思ったからです。夏の山形県大会は準決勝、決勝と連続でサヨナラホームランで勝ちましたが自分の想像以上に選手たちが成長していたんだなと感じました、ただ甲子園では全ての力を出せなかった。秋は準備期間が短いですが、また考えて動ける選手の集合体になって選抜を目指します」。


グラウンド脇にあるブルペン。今年の夏は3人の好投手を擁して山形大会を勝ち上がった。

チーム全体で意識高く食トレにも取り組み、考えて動ける集団になる。この秋以降も長年敗れなかった壁を乗り越えた羽黒がどんな戦いぶりを見せるかに注目だ。

甲子園の思い出



県大会後にユニフォームを新調した羽黒高校。開会式リハーサル前日というタイミングで届いた新ユニフォームは甲子園でお披露目となった。1回戦奈良大附に敗退後は「笑って地元に帰ろう」と、大阪で吉本新喜劇を観に行ったんだそう。

羽黒高校DATE

所在地:山形県鶴岡市羽黒町手向薬師沢198
学校設立:1962年
直近の戦績:
2018年夏・県大会優勝、全国高校野球選手権1回戦
2018年春・県大会優勝、東北大会準々決勝
2017年秋・県大会2回戦

(文・写真:食トレマガジン#7より)



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