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【北野】選手座談会|高レベルの勉強と野球の両立、気合いで慣れた「65分授業」

2020.1.16

屈指の公立進学校、北野高校の取材の最後は恒例の選手座談会! 有方智紀君、長曽我部健太郎君、松本蓮太郎君の3選手にお話を聞きました。やはり、勉強と野球の両立にみんな苦労したそうです。


写真左から

有方智紀君、長曽我部健太郎君、松本蓮太郎君

最初は辛かった65分授業


――3人のそれぞれのポジションを教えてください。
長曽我部「ピッチャーとセンターをやっています」

有方「ほぼキャッチャーでたまにピッチャーをやっています」

松本「自分はファースト一筋です!」

――練習環境、時間が限られている中で、練習に集中するために心掛けていることは?
長曽我部「時間を細かく区切って、ひとつのメニューが終わったら切り替えるようにしています。(女子マネージャーが)笛を吹く合図で、素早く次のメニューに切り替えます」

有方「自分はメインの練習はピッチャーをやって、朝練では野手としての練習をします。時間をうまく使い分けることです」

松本「自分はファースト一筋なので(苦笑)…切り替えてやるのは当たり前。反対に自分は(切り替えに慣れない)1年生にハッパをかけるようにはしています」

――それぞれの野球を始めたきっかけは?
長曽我部「自分は元々空手をやっていて、幼なじみが野球を始めたので、自分も興味を持ったことが始まりです」

有方「自分は父が社会人野球チームで野球をやっていたので、小さい頃からグローブとバットを持っていました。父の社会人時代の試合のビデオを見ながらアドバイスをもらうこともあります」

松本「父が草野球をやっていて、その流れで自分もやるようになりました。父はケガで野球を本格的にすることを断念したので、自分がその先の夢を追いかけています」

――北野を選んだ理由は?
長曽我部「最初は私学に行こうか迷いました。でも、高校ではもっと勉強を頑張りたいと思ったからです」

有方「自分は近くに進学校があったのですが、野球の強さや指導者の方が4人もおられることを知って、
北野に進学しようと思いました」

松本「中学では軟式野球をやっていましたが、高校ではバレー部に入ろうと思っていたんです。でも自分が人見知りで実際は入るのを諦めました。そんな時、(中学時代から知っている)長曽我部が北野を志望して野球部に入ると聞いたので、自分も頑張ろうと思いました」

――でも、北野は志望してもすんなり入れる学校ではないですよね。中学時代はかなり勉強したのではないでしょうか。
長曽我部「はい。中学の野球部を引退した後は、平日は学校が終わればずっと勉強して、土日は少し体を動かしていました。勉強は…多い時は10時間くらいはやっていました」

有方(エッという顔をする)

長曽我部「有方は地頭がいいので、そこまで勉強する必要はないんですよ」

松本「自分は、北野しかないと決めて勉強していました。(北野と同じ淀川区に住んでいて)ここに住んでいる以上は北野に行かないといけないと思って…(笑)」

――高校に入って苦労したことは?
長曽我部「中学とは違って通学に時間がかかるので、朝起きる時間も早くて疲れがたまりやすかったですね。それで授業に集中できず、慣れるまで時間がかかりました」

有方「65分授業が最初は結構辛かったです。今は慣れましたけれど、最初は集中するために“ここは絶対に聞かないと”とかなり気合を入れるようにしていました」

松本「勉強と野球の両立ですね。高校受験は短期戦ですけれど、大学受験は長期戦って言われているんです。高校に入学すればもう大学受験の準備が始まっているので、そのあたりは大変です」

――時間の使い方に、かなり気を遣うようになったんですね。
長曽我部「夜はご飯を食べたら30分くらい休憩して、その後に1時間くらい集中して勉強するようにしています。その後はストレッチをして寝ます。電車の中で勉強をしても頭に入らないので、通学、下校の電車の中ではリラックスします」

有方「自分も電車の中では勉強しないです。やろうとはするのですが、気がついたら寝てしまっています」

松本「自分は自転車通学なので…(笑)。自分は1日の中で休み時間を作るのは大事だと思います。夜はお風呂に入った後は娯楽の時間にします」

長曽我部「今の冬の時間は冬時間になって練習が休みの時間は増えますが、勉強したり休憩したりして、うまく使うようにしています」

――この冬の課題は?
松本「体重を増やすことです。でも、自分は体脂肪が多いので、まずは絞ってから体をしっかり作りたいです」

有方「僕は体が細くて体重が増えないんです。もっと食べることと、ウエイトトレーニングで下半身を強化したいです。ピッチャーの数が少ないので、春までにしっかり試合を作れるピッチャーになりたいです」

長曽我部「僕たちはこの秋、大阪大会で5回戦まで勝ち進んだんですけれど、勝った試合でも大量失点することが多くて、このままでは上に勝ち進んだ時に強豪私学に立ち向かえないと思いました。ピッチャーをしている自分は、特に基礎体力を向上させて、ピッチングの技術を上げたいです。冬を超えたら秋に打てなかったチームも打線が良くなるので、それでも抑えられるようになりたいです」

――将来の夢を教えてください。
松本「自分は堅実に地方公務員です。でも、大学に行ったら資格を取って、将来の職に困らないようにしたいです」

有方「僕は中学の時から具体的な将来の夢がまだ決まっていないのですが、夢の選択肢の幅を狭めないためにレベルの高い高校に行って学びたいと思ってきました。大学は京大など国公立大を目指しています」

長曽我部「自分は大学を出て社会人でも野球をやりたいので、野球もちゃんとやれる大学に行きたいと思っています。大学ではケガなどをしても体の動きを分析できるような勉強をしたいですね」

(取材・写真:沢井史)


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