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【関西創価】結束力で戦う夏、虎視眈々と狙う大阪の頂

2017.7.18
今春の大阪府予選ベスト8入りを果たし、夏の甲子園初出場を目指す関西創価ナイン。
今春の大阪府予選ベスト8入りを果たし、夏の甲子園初出場を目指す関西創価ナイン。

昨秋は強豪校との試合で大きな差を感じた関西創価。個人の力に頼ることなく、全体の底上げに着手した1年間。大阪を制することができれば、自ずと見えてくる全国制覇。二大巨頭が君臨する地で頂点を目指す、熱い夏が始まった。


結束力で戦う夏、虎視眈々と狙う大阪の頂

昨秋の履正社戦を糧にし、反骨心を高めた1年間

外野フェンスに掲げられた「人間野球」の四文字
関西創価野球部が掲げるのは「人間野球」の四文字。文武両道の精神で、野球を通じ、人間力を磨いている。

昨夏の大阪大会ではベスト4に進出し、甲子園まであと一歩のところまで迫った関西創価。新チームでキャプテンを務めることになった村上は「昨年のようなスター選手はいない。チームワークを武器に戦うのが僕たちの戦い方です」とチームの変化について話す。新チーム始動となる昨秋の大阪府予選では、4回戦で甲子園出場経験のある東海大仰星を撃破した。

三番松永とチーム1の俊足で、四番沼田の二年生コンビ
走力とパワーを兼ね備える2年生が打線の中心を担う。三番松永はチーム1の俊足で、四番沼田の打球はどこまでも飛んでいく。

迎えた5回戦は全国トップクラスの選手を擁する履正社との大一番。序盤に大量リードを許してしまうと、打線は二桁安打を放ちながら2点止まり。結果は8点差をつけられ、技術以上にここ一番でのメンタルの差が浮き彫りとなった。

深沢監督は「もう一度夏に向け、真剣に取り組まないといけない、そう感じた試合です」 と語るように、この敗戦を課題とし、ミーティングでは春になっても履正社戦の反省点を選手たちに厳しく言い続けた

エースを任される村上は変化球を巧みに操り、制球力に優れた左腕。打線も一番中村、三番松永に代表されるように、積極性が持ち味。走力と打力を高いレベルで兼ね備えている。厳しい練習の成果もあり、チーム力に加えて、個々の能力も着実に伸びている。

全国屈指のレベルの高さ、夏の甲子園初出場を目指す

選手を集めて話をする深沢監督
厳しくも、説得力のある指導で選手たちの能力を伸ばす深沢監督。

今春の大阪府予選では、昨秋の5回戦から一歩進んでベスト8入り。しかし、準々決勝の試合内容には課題が残った。序盤に先制するも、守備の乱れから逆転を許してしまったのだ。

ナツタイでは同じミスは許されない。 内野の守備力強化のため、選手のコンバートに着手した。練習試合では活気のある1年生をセンターラインに起用するなどベストな布陣を模索する。エース村上の負担を減らすため、2番手投手として右サイドの浪越を起用。浪越は、投球フォームが修正され、安定感が増してきた。

チームは投打ともに夏へ向け上り調子だ。さらに追い込みとして、暑さ対策のためグラウンドコートに身を包み、マスクを着用しての走り込みで身体をいじめ抜く

グラウンド整備を行う選手たち
グラウンド整備も練習の一環。ダラダラせずテキパキと行う。

選抜決勝は大阪桐蔭×履正社の対戦となり、史上初の大阪勢対決が甲子園で実現した。深沢監督は「やっぱりな、と思いました。全国には強いチームがたくさんありますが、あの2チームは別格。良い選手がいるだけでなく、野球のレベルが非常に高い。でも同じ大阪としてあの2チームに追いつけ追い越せでやっているやりがいも感じています」。

そして、この2校でも簡単に勝ち抜けないのが大阪のレベルの高さだ。この春、履正社は5回戦で敗れ、優勝した大阪桐蔭も4回戦で瀬戸際まで追い込まれた。そんな全国屈指の激戦区で関西創価は、昨年も含め夏の準決勝には5度勝ち進んでいる。だが、決勝の舞台の経験はない。この夏、新たな歴史を刻み、憧れの夢舞台、聖地・甲子園を目指す。

実戦形式の練習

実戦形式の練習に取り組む選手たち

力を入れているのは真剣勝負が繰り広げられる試合を想定した実戦形式の練習。誰よりも大声を張り上げるのが深沢監督だ。「誰もベースについていないのに、なんでリードがそんなに小さいんだよ」など、グラウンドには東京弁の声が響き渡る。理想とするのは安打なしで点を取る打線。足を生かした野球ができれば勝てる、といった監督の思いが強い。練習試合前のノックでもランナーコーチをつける徹底ぶりだ。

ミーティングで意思疎通

深沢監督の話に熱心に耳を傾ける選手たち

野球部専用の練習場、ビクトリーグラウンドがあるのは強みだが、実は室内練習場が無いため雨には弱い。雨天時には体幹トレーニングや素振りがメニューの中心となる。練習中に突然強い雨が降り出した取材当日はトレーニングルームで急遽ミーティング。60人を超える部員が入るとすし詰め状態。待ち球の絞り方、打席での考え方など社会人野球でスラッガーとして活躍した深沢監督の話に選手たちは熱心に耳を傾ける。(取材・文=小中翔太  写真=河合信也)

関西創価高校野球部

●監督/深沢英俊
●部長/木幡智明
●部員数/3年生22人、2年生19人、1年生23人
1973年に創立された私立高校。一昨年グローバル・リーダー育成を目指す学校として文部科学省よりスーパーグローバルハイスクールに認定された。部活動が盛んで野球部のみならずラグビー部、陸上部なども強豪。

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