
前述したように野田監督の現役時代に比べると部員数は減少しているが、それについても決してマイナスばかりだとはとらえていないという。
「部員が少なくなった分、個別に指導できる時間は以前よりも長くなっていると思います。自分が現役時代は3学年で100人近くいて、その中での競争意識というのが大府高校の良さでもあって、当然そういう意識もなくしてはいけないと思いますが、子どもの数も野球人口も減っている中では部員が少ない中でのアプローチも当然考えなくてはいけません」(野田監督)
「以前と比べると他人と競争することが苦手な生徒が増えてきたと思います。そんな中でポジションも背番号も競争で勝ちとるものだとは言っても、難しい部分はありますよね。だから目標をどこに置くかというのが大事ですよね。あまりにもかけ離れた目標でも、簡単すぎる目標でもやる気が出ない。少し頑張れば手が届きそう、というあたりに設定してやると自然と頑張れる。そういうところが指導者の腕の見せ所じゃないですかね」(馬場校長)
以前からパフォーマンス向上に関わる数値を継続的に測定し、また授業での取り組みも生かすなど時代の変化に合わせた指導を行っていることなどが、ここまで長く強豪であり続けた理由の一つではないだろうか。またコロナ禍で愛知県も蔓延防止重点措置区域となり、全体練習が制限されている時期が続いているとのことだが、野田監督から選手に対してはその期間も細かい指示を出すのではなく、選手の自主性を重視しているという。後編では選手のインタビューもお届けするが、全体練習ができない中でもチーム内でLINEグループを作成し、そこで情報共有しながらレベルアップを図っているとのことだった。こういった限られた環境で工夫できるところも大府の強みと言えそうだ。(取材・文:西尾典文/写真:野球部提供)
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