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【大府】野球部強化にも繋がる、学校を挙げての体育指導強化(前編)

2022.3.29

中京大中京、東邦、愛工大名電、享栄の“私学4強”と呼ばれる強豪が圧倒的な強さを誇っている愛知県の高校野球だが、公立高校で長年結果を残し続けているのが愛知県立大府高校だ。これまで選抜高校野球4回、夏の選手権3回と合計7度の甲子園出場を果たしており、昨年夏の愛知大会でも準決勝に進出している。そんな愛知の“公立の雄”である大府の強さを取材した。


学校を挙げての体育指導強化

大府が最初に甲子園に出場したのは1964年の夏だが、それ以降も1980年代に2回、1990年代に3回、2000年代に1回とコンスタントに甲子園出場を果たしている。現在のチームを指導するのは同校のOBでもある野田雄仁監督だ。高校卒業後は日本体育大でプレーし、2007年4月に母校に赴任。2008年には部長として夏の甲子園に出場し、2011年4月から監督を務めている。強豪というイメージが強い大府だが、野田監督の話によると野球に特化した入試制度があるわけではなく、入部している選手のレベルにはかなり幅があるという。

「中学時代に硬式でプレーしていた選手もいますが、割合的には中学の軟式野球部でプレーしていた選手が半分以上だと思います。大府で私学を倒して甲子園に行きたいという生徒がいる一方で、勉強もしっかりしたいという生徒も当然います。以前は部員数も多かったですが、その当時でも色んなレベルの生徒がいるというのがうちの特徴だと思いますね」(野田監督)



元々私学4強以外にも力のあるチームが多い愛知だが、近年は至学館、誉といった新興勢力も台頭している影響もあって、部員数は減少傾向にあるという。数年前は1学年30人近いことも珍しくなかったそうだが、現在は2学年合わせて35人(2年生10人、1年生25人)と強豪校にしては少ない数字となっている。

そんな中でも昨年夏は愛知大会で準決勝に進出するなど結果を残しているが、その背景には学校を挙げての体育指導強化があるという。その責任者となっているのが、馬場茂校長だ。馬場校長も大府の野球部OBで、選手としては槙原博己(元巨人)とバッテリーを組み、2年夏、3年春と2度甲子園に出場。筑波大卒業後は大府の監督に就任し、1993年から3年連続で選抜甲子園にも出場している。ちなみに阪神で大活躍した赤星憲広は馬場校長が監督を務めた時の選手である。

馬場茂校長と野田雄仁監督


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