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【大府】学校を挙げての体育指導強化と「検定型授業」(後編)

2022.3.31

中京大中京、東邦、愛工大名電、享栄の“私学4強”と呼ばれる強豪が圧倒的な強さを誇っている愛知県の高校野球。そんななかで公立高校ながら長年結果を残し続けているのが愛知県立大府高校だ。これまで選抜高校野球4回、夏の選手権3回と合計7度の甲子園出場を果たしており、昨年夏の愛知大会でも準決勝に進出している。そんな愛知の“公立の雄”である大府の強さを取材した後編をお届けする。


長年記録している体力測定値

前編で紹介した「検定型授業」の取り組みは、今年1月に行われた全国の学校で行われている体育授業の事例を発表する「第60回全国学校体育研究大会愛媛大会」において研究優良校として表彰を受けている。そしてこのような取り組みは野球部の指導現場でも生かされているという。



 “バッティング”という大きなくくりで考えるのではなく、細かく分けて考えてチェックすることで選手も迷いがなくなることが多かったという。その効果は昨年夏の愛知大会でも発揮された。
「準決勝で対戦した享栄高校さんは肥田(優心・亜細亜大に進学予定)、竹山(日向・ヤクルト5位)という150キロを超えるピッチャーが2人いました。実際にうちは150キロのボールを打つ練習をしていたわけではないですが、さっき言ったようなポイントをしっかりやろうということで臨んだら、試合には負けましたけどある程度打つことができました(肥田、竹山含む3投手から11安打で4得点)。本当は150キロが練習できるマシンがあれば一番いいのかもしれませんけど(笑)」(野田監督)

検定型授業については約5年前から取り入れたものだとのことだが、野球部として長く取り組んでいるものとしては、選手の能力を図る数値の計測があるという。ベンチプレスの重さなど一般的なウエイトトレーニングの指標に加えて、メディシンボール投げ、立ち幅跳びといった瞬発系の数字も定期的に計測し、特にオフの期間は重視して取り組んでいる。
「いつからやりだしたかは正確に覚えていないんですけど、赤星の数字が残っているので30年前くらいからは計測していたんだと思います。当時はまだそういうことをやっている学校は少なかったですね。メディシンボール投げ、立ち三段跳び、立ち五段跳び、自転車こぎ、このあたりの数値が上がってくると、投げるボールの速さも打撃の飛距離も上がってくるなという感覚はありました。立ち三段跳びで7m50㎝跳べれば130キロ投げられるってよく言っていたのを覚えています。そういう基準となる数字を出してやることで、こちらが言わなくても選手が自発的に取り組みやすくなりますよね」(馬場校長)

「自分の1学年下に宇津野(純一)という明治大、社会人の東邦ガスでも活躍した選手がいたんですが、彼は立ち三段跳びで8m近く跳んでいました。そういう選手の数字も基準として残っているのは大きいと思いますね」(野田監督)


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