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【享栄】大藤敏行監督|「反省」を生かして掴んだ、夏の頂点

2023.11.30

「自信」が劣等感を取り除く



——中京大中京で結果を残されましたが、その後は一度監督という立場を離れて、高野連の技術委員やU18侍ジャパンのコーチなども務めました。そこで得た経験としてプラスになっていることはありますか?

U18のコーチはその年代のトップの選手がどんな意識で取り組んでいるかということを知ることができたので良かったですよね。プロで活躍しているような選手を見ても、やっぱり意識や取り組みが違うなと。
あと高野連の技術委員をしていた時に、秋田県の強化にかかわっていて、社会人野球や逆に少年野球の一流の指導者の方の指導方法を見られたのも良い経験でした。技術を教えるのが丁寧でしたし、自分が高校で教えてきたやり方とは全然違うので、本当に勉強になりましたね。子どもに上手に教えられる指導者の人は、高校生に教えても上手いのだと思いますよ。

——その後、享栄に移られて再び監督に就任しましたが、中京大中京で指導していた時との変化はありますか?

まず以前と同じやり方ではダメだなというのは感じます。同じような練習をやらせても、まずついてくることができない選手もいる。そこはちゃんと選手の力量を見極めてやる必要があると思います。中学校時代にそんなに実績がない選手も多くて、県内のライバル校には中学時代から有名だった選手もいるとなると、どうしても劣等感がある。だからそれを払拭するために自信を持てるようにやっていく必要はあると感じますし、それには時間がかかりますね。
選手がプロに行くことが全てではもちろんありませんが、上田(洸太朗/現・中日)、竹山(日向/現・ヤクルト)、今年の東松(快征/オリックス3位)と、プロに行くような選手が出てきて「俺達でもできるんだ!」という気持ちが出てきたのは良かったと思います。

——最後に、あらゆる経験をしてきて、現在指導するうえで具体的に気を付けていることがあれば教えてください。

うちのチームに限らず、周りに関心を持てない選手が多いような気がしますね。自分のことだけで精一杯になっていて、周囲に気を配ったり、周囲から学ぼうとできない。U18に選ばれたりその後活躍している選手は、やっぱりそういう意識が高いです。だから、そのあたりを丁寧に話しながら、指導しないといけないなとは思いますね。(取材:西尾典文/写真:編集部)

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