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【誉】イヒネ・イツア「誉だったからこそ成長できた」

2022.7.11

中学時代は全くの無名。そんな選手達が集まる誉高校で、今プロの注目を集めているのがイヒネ・イツアだ。ナイジェリア人の両親を持つ大型遊撃手は、誉高校でどのような成長曲線を描いてきたのだろうか?


高校を選べる実力などなかった中学時代

身長180センチ、体重63キロ。上背はあっても紙のように薄い体では、打つにも投げるにもパワー不足は明らかだった。中学野球チームでの練習中、力いっぱい投げているのに、チームメートからは「ちゃんと投げろよ」と言われてしまう。イヒネ・イツアはそんな選手だった。

父・ジョセフさんと母・テレサさんの両親はともにナイジェリア人。ジョセフさんは若い頃、「足が速かった」と聞かされていた。息子・イツアもスラリと長い足が印象的な体型をしているが、中学時点では「実力がなくて、たまに代打かスタメンで出るくらい」の存在だった。

中学で所属した軟式クラブチーム・東山クラブは、全国大会常連の強豪だった。周りに好選手がひしめくなか、イヒネが「一人だけ飛び抜けていて、かなうはずもない」と感じた選手がいた。

内藤鵬(ほう)。こちらは中国人の両親を持つ、右の大砲である。軟式ボールがひしゃげて割れるのでは、と思うほど爆発的なインパクトで内藤はホームランを連発した。

内藤は東日本の数多の名門からの勧誘を受けた末に、打撃のチームカラーが濃い日本航空石川への進学を決めている。一方のイヒネは「行きたい高校を選べる実力なんてない」と、最初に声をかけられた誉に進学することにした。

誉はイヒネの中学3年時に夏の甲子園初出場を決めた新興勢力だったが、中学時代に名を馳せた有望選手が集う高校ではなかった。中学時代のイヒネを視察した矢幡真也監督は、こう振り返る。

「走っているさまを見て、『面白いかもしれないな』と思いました。中学の監督もポテンシャルは認めていて、『もしかすると、もしかするかも』とおっしゃっていましたね」


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