学校・チーム

自信になっていることは増えている|杜若・田中祐貴監督

2023.6.16

昨年4月に就任した杜若の田中祐貴監督。プロでの経験だけでなく自身の高校時代、そして引退後の取り組みなどを生かして指導していることをこれまで紹介してきた。後編では更に具体的な事例と、今後の目標などについて紹介する。


メディカル面は特に専門の先生に相談

この春は30人の1年生が入部するなど、強豪復活に向けて期待は高まっている。前編でも少し触れたが、その中でも特に注意しているのが故障の予防だという。
「自分もプロでは怪我に苦しみましたが、高校野球を始める前の時点で怪我をしている選手は本当に多いです。今、2年生と3年生の故障者は0ですけど、入部したばかりの1年生でいきなり怪我をしてしまった選手もいます。こちらももちろん最大限注意はしますけど、小学生や中学生の間に無理をし過ぎてしまって、その負担が高校で爆発してしまうことも多いです。時限爆弾みたいなものですよね。自分が来てから専門の機関に依頼して定期的にメディカルチェックをするようにしていますが、それでだいぶ見えてくることもあります。この4月に入ってきた1年生でも良いボールを投げていたので試合で起用したいなと思っていましたけど、メディカルチェックの結果を見て、今はやめた方がいいという結論になりました。自分の高校時代にはそういうものもなかったので、どうしてもやり過ぎてしまう部分もありましたけど、そうならないようにというのは気をつけています」

選手からすると当然試合に出て結果を残したいという気持ちから無理をしてしまうということもある。また厄介なことに自覚症状がなく、いきなり大きな故障に繋がってしまうこともあるという。それを防ぐのは指導者として重要な役割と言えるだろう。

またプレーヤーとしてだけでなく、引退後の経験を生かしていることはこれまでにも紹介してきたが、監督である自分が全てを対応できるとは考えていないという。
「自分も怪我をして、引退後も勉強したので多少の知識はありますが、もちろん分からないこともたくさんあります。だからメディカル面は特に専門の先生に相談しながらやっていますね。最近は中学時代に手術している子も多くて、その内容もしっかり聞かないと治ったと思っていても十分ではなかったというケースもあります。
あと野球に関してもそうですよね。ピッチングについては自分がプロのマウンドで経験してきたことや、そこから学んだことを伝えられるというのは強みだと思います。そういうのは感覚的な話なので、やっぱり経験者だからこそ伝えられるということはありますね。ただ野手のことについては当然分からないことも多いので、こちらも勉強しながら取り組んでいるという部分は多いです。あとトレーニングについても当然そうで、自分では分からないことも多い。専門のトレーナーに来てもらって、何が必要なのかをしっかり知ったうえで取り組むのが大事です。アップの話もしましたけど、高校野球の場合、数を数えたり声を出したりするのに必死になって、実際の効果は薄いことも多いと思います」


PICK UP!

新着情報