練習の質を高めるには選手の意識が重要
またバッティング練習がメインではあるが、打っていない選手も他の練習を同時並行で行っている。この日は野手を6つの班に分けていたが、打球もただ受けるのだけではなく守備練習として行っていた。また走塁を行う班も、打球に対する判断をメインに練習する姿が見られた。全く別の練習をしているのはグラウンドの外でショートダッシュを行っている班だけであり、あくまでバッティング練習と言ってもそれに対する副次的なプレーは全て練習という位置づけで行っていると兼屋監督は話す。
「今日の練習は最後のランニングメニュー以外はずっとこの形です。色々やろうとするとそれだけ時間もかかりますので、テーマは絞ってやることが多いです。ただバッティングと言っても、実際に打っている以外の選手にとっては生きた打球を受ける練習になりますし、打球に合わせて走塁練習もできます。トータルで見てバランス良く練習するようには心がけていますね」
2分間を6セット、合計で12分間のバッティングを6班が行うことになるので、単純計算でそれだけで72分費やすことになる。当然入れ替えの時間もあるのでそれ以上かかるのだが、この時間をいかに短縮できるかがカギになってくる。選手達も実際に練習を行っている時以上に、入れ替えや移動の時に大きな声が出て素早く動いている姿が目に付いた。
もうひとつ特徴的だったのが、高校野球の練習にありがちなお互いを叱咤するような声があまり聞かれなかったところだ。もちろん必要な指示の声などは都度飛ぶのだが、どの選手もプレーそのものに対して集中して、考えている様子が多かった。この日、投手陣は野手とは完全に別行動でトレーニングとフォーム固めがメニューであり、ブルペンでは並んでシャドーピッチングを行っていたが、その様子を見てもそれぞれが課題を持ってポイントポイントに気をつけながら取り組んでいるように見えた。
また、兼屋監督の選手に対する指摘もプレーそのものよりも目的意識についてのものが多かった。限られた時間、環境の中で結果を出すためにはやはり質を高めること。そして練習の質を高めるには選手の意識が重要だということなのだろう。そんなことを強く感じさせられる八千代松陰の練習風景だった。(取材・文/写真:西尾典文)
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