マネージャーがサポートする選手の身体づくり

練習が18時を過ぎると、選手たちはローテーションでグラウンドに隣接された食堂に向かう。そこでは4人のマネージャー(当日は2人欠席)が、選手たちに温かい補食を提供していた。お茶碗に山盛りのご飯は約350g。マネージャーが作ったワカメとお麩の味噌汁に、ご飯のお供としてキムチや生卵やふりかけ、差し入れのバナナが用意されている。

週に最大4回行われる補食と、こまめに摂取するプロテインのおかげで選手の身体は日に日に大きくなるという。あっという間に完食した3年生に話を聞くと「補食のおかげで入学時から10㎏体重が増えました」と笑顔で語ってくれた。練習の合間に食べないといけないため目安は約10分。グラウンドと同じで、ここでも無駄な会話をせず食事トレーニングに励む姿が印象的だった。

食堂のすぐ近くにはウエイトルームが完備されている。マシンの種類が豊富で全身を無駄なく鍛えることが可能だ。昔に比べ量は減らしたとはいえ、2日に1度約20~30分ここで鍛えているという。西東京でコンスタントに結果を残すだけあって、選手の身体はやはりたくましい。話を聞いた鈴木マネージャーは「1年生はまだまだ細いですが、3年生になると大人に負けない身体に成長するのでサポートのしがいがあります」と話す。

目標は「甲子園で校歌を歌うこと」
時間が限られる中で、目的意識を高く持って練習に励む八王子ナイン。甲子園までの道のりはとてつもなく険しいが、だからこそ挑戦のしがいもあるに違いない。「都大会予選ブロック初戦で負けたチームが行けたのなら、毎年チャンスがあると私自身あの結果で教えてもらいました。練習でも私生活でもガムシャラに一生懸命やることが目的になってはダメです。自分に何が足りないか、どういったことのために技術が必要なのか、そういったことを一つひとつ明確にして練習に取り組んで欲しいです。個人ではなく一つの集団として徹底的に戦うことができればきっとチャンスはあるはずです。チーム全員で戦ったその先に、甲子園で校歌を歌うことが今の私の目標です」。

自分に何が足りないか、チームのために何ができるか模索することで一プレイヤーとして、一人の人間として大きく成長するに違いない。チームの武器である徹底力をどれだけ鍛えられるかが勝負のカギを握っていると選手も熟知しているはずだ。
3年前は甲子園の初戦で負けてしまい、惜しくも聖地で校歌を歌うことはできなかった。部に新たな歴史を刻むべく、八王子ナインの挑戦の夏が始まろうとしている。
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