高校野球においてテクノロジーに期待されるものは多い。練習の効率化と時短対策、公明正大な部活運営に、管理指導から選手主導の指導方針への転換……。ハードルもあり、いまは一部の先進校が導入しているばかりであるが、黎明期に取り組むからこそ実りが大きいもの。未知なる可能性を編集部とともに学んでいこう。
テクノロジーは「選手中心の指導」と親和性が高い
練習長すぎる問題は、野球部人気の低下にも絡む、高校野球積年の課題である。タイムリーでは、それを解決するための選択肢の1つとしてテクノロジーに注目してきた。
いち早くデジタルツールを導入している学校を取材していくと、練習効率を上げたり時短したりすることと同じくらい、「いかに選手が楽しく納得して練習できるか」を追求した結果、デジタルツールを導入したという監督が多いことに気がついた。
「いまの球はコースも理想的で回転効率もよかったけど自分ではどう思う?」
「無理なく投げられた感覚がありました」
「じゃあ、こういうフォームが向いているんじゃない?」
こんな具合に、選手の能力を数字で可視化するテクノロジーは、選手と双方向的なコミュニケーションを生む。テクノロジーは「選手中心の指導」と大変相性がいいのである。
近年、さまざまなスポーツにおける指導者と選手の問題が噴出しており、選手を中心に考える「アスリートセンタードコーチング」の必要性が語られている。
高校野球も例外ではない。
今後さらに内圧も外圧も高まっていくことが予想され、監督の経験と勘のみに依存する指導方針だけでは通用しなくなるかもしれない。
さまざまなデジタルツールが登場する昨今、ぜひ興味を持てるデジタルツールから試してみて欲しい。
選手が楽しんで自主的に練習できるようになるなら、ちょっとした支出なら安いものである。
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