カラダづくり

大事な舞台でしくじらないための「良質な睡眠&入浴方法」

2019.7.23

睡眠時間をしっかり確保することは、本来持ってる実力を試合当日に発揮するためになくてはならないもの。なぜ睡眠が大事なのか、お風呂博士で睡眠改善インストラクターの資格を持つ石川先生に話を伺った。


Q:お風呂は面倒なのでシャワーで済ませているんだけど、寝付けないことが多い。身体は疲れているのに眠れないのはなぜ?

A:お風呂に入ると疲れがとれる、と言われているのは、その後の睡眠の質がアップするから。というのも、湯舟につかると体温がグッと上がる。体温にはリズムがあって、夜になるとスーッと体温が下がって眠くなるのだけれど、湯舟につかることでよりスムーズに体温を下げられるので深い眠りに入ることができる。それに昔から「寝る子は育つ」と言われているとおり、深く眠ることは、栄養を吸収し、細胞を活性化させ、身体を回復させる成長ホルモンの分泌を活発にさせるんだ。

お風呂はシャワーではなく、湯舟につかることがポイントなんだね!

Q:チーム練習後、帰宅後に自主練しているのに、試合ではその成果があまり生かされていないように感じる……。

A:タイムリーくんは1日に何時間寝てるかな? 理想の睡眠時間は7〜8時間と言われていて、睡眠不足が続くと視覚的なものが低下するという研究結果が出てるんだ。ほかにもパワーやスピードに影響がでることも。スタンフォード大学の実験では以下のような結果がでていて、しっかり睡眠時間を確保すると、スポーツにおいて幅広い能力が保たれることがわかった。

スタンフォード大学 Cheri Mah の実験
●対象:大学生バスケットボール選手11名
●普段の睡眠時間は7.5時間
●方法:5〜7週間にわたり、最低10時間は 寝るように指示
●結果:平均8.5時間の睡眠

測定項目普段の睡眠睡眠延長

282フィートダッシュ 16.2秒 15.5秒
フリースロー(10回中) 7.9回 8.8回
スリーポイントシュート(15回中) 10.2回 11.6回
練習中のやる気(10点満点) 6.9 8.8
試合中のやる気(10点満点) 7.8 8.8


練習後は風呂に入って、すぐ寝ることが試合で失敗しないための近道だね!

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深い眠りを促す入浴法
●毎朝同じ時間に起きる、朝食は毎朝食べるなど「生活のリズムを整える」
●寝返りしてもストレスにならないように幅の広い枕を用意、つける灯りは暖色系、室温は26℃設定など「眠る環境を整える」
●スムーズに体温を下げるために「就寝の1〜1時間30分前にお風呂から出る」
●精神的な負荷をかけない、ブルーライトの影響を避けるために「スマホやゲームは寝る1時間前にはやめる」
●睡眠に入りやすくするために「好きな音楽や香りをかぐ」
●不安や心配事がある場合は「眠れない原因をかき出す」

解説=河森直紀(Naoki Kawamori)
大学卒業後、海外の大学院へ留学。博士号を持つストレングス&コンディショニングコーチとして活躍中。最新著書に『ピーキングのためのテーパリング』(NAP)がある。


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