カラダづくり

勝利を呼び込むカラダマネジメント|テーパリング(1)

2019.7.16

毎日厳しい練習やトレーニングを行っているのに、試合になると練習の成果が発揮できない、そんな経験をしたことはないだろうか。試合本番によりよい状態で臨むためにはどうしたらいいのかじっくり解説する。


試合に合わせて体調をコントロールする「テーパリング」

Q1:大切な試合の日なのに身体がダルくて練習通りに力を発揮できない。なぜだろう。

A:試合前のコンディション調整が間違っているのかも。プロのアスリートは試合に向けて疲労回復をはかりながらコンディションをあげるために、試合直前の時期は練習やトレーニングの負荷を減らしていく「テーパリング」という戦略をとることが多いんだ。
 テーパリング(tapering)とは、徐々に練習・トレーニングの負荷を減らす、という意味。試合が近づいてきたら練習の負荷を減らし、疲労回復に努めるのも大切だよ。


試合前の期間は、徐々に練習・トレーニングの負荷を減らすことが大事なんだね!

Q2:テーパリングを実践すれば試合当日にやらかさず、パフォーマンスを発揮できるの?

A:大事な試合に自分のコンディションのピークを合わせることを「ピーキング」と言うんだ。「テーパリング」と「ピーキング」はセットで使われることも多いんだけど、ピーキングは「目的」でテーパリングは「手段」を表現している。ピーキングを実践するには、テーパリング以外にもいくつか手段があって、ピーキングのための手段のひとつがテーパリングになんだ。大事な試合でしくじらないようにするためには、テーパリングはもちろんカーボローディング、メンタルトレーニングなどほかの手段も合わせることが重要なんだよ。



試合でパフォーマンスを発揮するには、テーパリングをはじめいろんな方法があるんだ!


解説=河森直紀(Naoki Kawamori)
大学卒業後、海外の大学院へ留学。博士号を持つストレングス&コンディショニングコーチとして活躍中。最新著書に『ピーキングのためのテーパリング』(NAP)がある。

TOPICS

テーパリングするとパフォーマンスが3%アップすると言われている!
それでは3%のパフォーマンス向上とは、具体的にどのような効果が得られるのだろうか。 
2016年リオ五輪の陸上競技男子100m走の成績を参考に見てみると、金9.81秒、銀9.89秒、銅9.91秒で、金メダルと銅メダルのタイム差は0.10秒、わずか1.0%、8位入賞(10.06秒)にいたっては金メダルとのタイム差は0.15秒、わずか1.5%だった。
野球に置き換えても実力が拮抗したチームの試合で、盗塁の成功率、アウトにできる確率、バットにボールがあたる確率などがアップすると考えられる。


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