カラダづくり

勝利を呼び込むカラダマネジメント|テーパリング(4)

2019.7.22

狙った試合でしくじらないためにテーパリングを始めてみたけど、こんな時はどうしたらいいのか素朴な疑問が沸き上がってきた。テーパリングが失敗しそうなシーンなども合わせて紹介していこう。


転ばぬ先の杖! テーパリング成功の秘訣

Q:大事な試合直前にテスト期間があって満足に練習できない! 疲労がたまっていないときのテーパリングのやり方は?

A:方法は2つある。ひとつはテーパリングの期間を1週間程度に短縮し、それまでの間は通常と同レベルの負荷で練習・トレーニングを続けること。もうひとつは、期間の長さは変えずに練習量を減らす割合を(4〜6割減らすのではなく)2〜4割程度に抑える方法だ。

期間を短くするか、練習量を減らす割合を少なくするか、どちらかを実践だね。


Q:テーパリングを始めようと思ったけど、予想以上に身体が疲労していた! こんな状態で始めても大丈夫?

A:できることはひとつで「練習量を少なくする」ことのみ。通常は練習量を4〜6割程度減らすが、疲れすぎている場合は練習量を6〜8割程度減らせば、疲労の除去スピードは通常より早いはず。もとよりテーパリングは事前にしっかりとした長期計画をたてることが必要なので、次回から気をつけよう。

練習量を6〜8割程度少なくすることで解決しそう。


Q:テーパリング開始前に体力がついてないように感じるので通常より練習量を増やしてもいい?

A:試合が近づいている時点で練習量を増やしても、急に体力は向上しないんだ。一方で疲労は急激にたまる可能性があるから、試合当日までに疲労が抜けきらず失敗するリスクが高まってしまう。体力を向上させることはあきらめて、試合に向けてのコンディション調整を優先したほうがいいよ。

試合直前に急激に体力を向上させることは諦めて、コンディション調整を優先。


Q:ナツタイの予選から甲子園大会まで、大事な試合が数日間続く場合は、どのように対処したらいいの?

A:ピークは低くなるが、大会期間を通してコンディションの高い状態を維持することが目標に。そのためにテーパリングの期間を1週間にする、練習量を減らす割合は通常の4〜6割ではなく2〜4割程度に抑えるなど、チーム状況に合わせて対処することが望ましい。

練習量を減らす割合は、2〜4割程度に抑えることがポイントなんだね!

Q:そもそもテーパリングって、何度もトライできるの?

A:テーパリングは短期的なメリットは大きいが、頻繁に行うと練習・トレーニング量が減るため、フィットネスの向上にはつながらない。そのため実施する頻度は年間数試合に抑えつつ、練習・トレーニング量をわずかに減らす「ミニテーパリング」を活用するのもおすすめだ。

ミニテーパリングを活用するのが失敗しないための第一歩なんだね!

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テーパリングの落とし穴に気をつけろ!
実施前の練習が不十分にも関わらずマニュアル通りテーパリングを適用したり、しっかり練習できていたのにテーパリング中の練習量を減らしすぎたり……。そんな場合はピークのタイミングが早く訪れてしまうことがある。個々やチーム状況に応じてテーパリング計画に修正を加えつつ、実施していくことが大事なのだ。

解説=河森直紀(Naoki Kawamori)
大学卒業後、海外の大学院へ留学。博士号を持つストレングス&コンディショニングコーチとして活躍中。最新著書に『ピーキングのためのテーパリング』(NAP)がある。

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