カラダづくり

【浦和学院】3食を共にして掴み取った5年ぶりの夏甲子園

2018.10.23

練習、休養、栄養。理想の「バランス」を目指して

現部員は3学年で約90名。卒業後はプロや大学で野球を続ける選手たちが多い。

高校時代の1年間を怪我によって棒に振った過去を持つ森監督は、「自分と同じ思いをさせたくない」という想いを胸に抱いて生徒たちの指導に当たっている。故障の予防。そのためにも「バランス」、そして「考えること」が重要であると説く。「練習、休養、栄養。この3つのバランスが取れていないといけない。ただ闇雲にやっても壊れてしまう。食事も練習も考え方は同じ。その目的を理解して、必要性を感じながら取り組むこと。最終的な勝負のところで体力、精神力が大きなカギになると思いますが、その体力、精神力を付けるためにも、ただ根性だけでガムシャラにやっていてはダメでしょう。根拠の部分を理解して、意識付けしながら、その中で各自が自ら考えて取り組めるようにならないといけない」。

チームを指導する森監督は、野球を通じて「バランスの良い人間」を育てようとしている。そのために練習中から選手間のコミュニケーションを重視する。

食事の場は社会性も育む。スマートフォンなどの携帯電話は、基本的に使用禁止。その中で自然と対話する時間が増えることになる。森監督は「みんなが集まる空間の中でお互いがコミュニケーションを図ってもらいたい。人間関係づくりの面でも、食事の場というのは大切な時間。まずはそういう部分からコミュニケーションを取れるようにしてもらいたい」と語るとともに、「バランスのいい食事、バランスの良い練習で、バランスのいい身体を作ること。そしてバランスの取れた考え方を持った、人間性溢れる人間になってもらいたい」と生徒たちの背中を押し、彼らの未来に目を細める。

夕食時には計20升(30kg)の米を炊く。山積みされたお米も一気に消費される。

甲子園は目指すべき目標ではあるが、決してそこがゴールではない。その先の人生も見据え、そこで力を発揮するための大事な基礎を身に付ける。浦和学院野球部で3食を共にした選手たちは、卒業後もまだまだ大きく成長する。

甲子園の思い出


蛭間主将を中心に5年ぶりの夏の甲子園で2勝を挙げた浦和学院。これまで何度も訪れたことのある甲子園だが、「天国でやっているような感覚。天国には行ったことはないですけど(笑)。やっぱり夢の舞台です」と森監督。この経験を“次”に繋げる。

浦和学院DATE

所在地:埼玉県さいたま市緑区代山172
学校設立:1978年
直近の戦績:
2018年夏・南埼玉大会優勝、全国高校野球選手権準々決勝
2018年春・県大会優勝、関東大会準々決勝
2017年秋・県大会準々決勝

(取材:三和直樹/写真:食トレマガジン#7より)

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