カラダづくり

【浦和学院】3食を共にして掴み取った5年ぶりの夏甲子園

2018.10.23

お茶碗1杯500グラム山盛りご飯で体重アップ

寮生に加えて通いの部員たちも朝、昼、夕の3食を共にする。そこで生まれる団結力はチームをさらに強くする。

チームが大きくパワーアップした陰には、「食べること」があった。埼玉スタジアムの目と鼻の先の場所に校舎を構える浦和学院。その開放的な敷地内には野球部の専用グラウンドが設けられ、寮、部室とともに野球部専用の食堂を持つ。そこで1日3食、部員の7割近くを占める寮生に加え、自宅から通学している部員たちも含めた約90名の部員全員が、朝、昼、夜の3食を共にしている。

トレーニング後の効率的な栄養摂取が可能となっているが、そこで驚かされるのが「量」である。朝練後の7時半からの朝食は、ごはんにみそ汁、納豆とおかず。昼は丼物と麺物のセットを食べ、練習後の夕食は、ごはん、汁もの、おかず2、3品にサラダとフルーツが付き、さらに牛乳と100%のオレンジジュースでビタミンとたんぱく質を摂取する。夜のごはんは800グラムがノルマ。一般的なお茶碗1杯は150グラムだが、浦学野球部の1杯は500グラム。まさしく日本昔話に登場するような“山盛りごはん”をおかわりし、「身長マイナス95」の体重を目指す。

国体も控えており、毎年3年生たちは翌年1月半ばまで毎日グラウンドに出て練習に励む。

「まず、練習をやり込めるだけの身体をつくること。それが基本になる。3食を共にできるというのは、身体作りの面では非常に大きなメリット。身体は確実に大きくなる」と森監督は言う。最初は単純に体重を増やし、その後は体脂肪、筋肉量を見ながら食事の内容を変え、バランスの良い食事で理想の肉体を作り上げる。今夏に背番号1を背負った河北将太投手は「食べたい時に食べられる環境が整っている。バランスも考えて作ってくれているのですごくありがたいです」と感謝する。

また、3年前からグラウンドのすぐ隣に、野球部として畑を借り、きゅうりやナス、オクラ、ピーマンなどの野菜を育て、自分たちで収穫したものを自分たちで食している。「食べ物の大切さを感じてもらいたい。今まで何気なく食べていたものでも、その一つ一つに手間暇がかかっているということを実感してもらいたい」と森監督はその意図を説明する。今夏は大量の夏野菜で漬物を作り、スイカは計35玉を収穫。記録的な猛暑を乗り切るのに一役買った。

この日はナス、オクラ、ピーマンを収穫。形は不揃いでも栄養&味は文句なし。
野球部専用の畑。内野ほどの大きさの土地に7、8種類の野菜を育てている。今夏はきゅうりが毎日50本。スイカの栽培も成功した。


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