カラダづくり

継続的に体を動かす|引退から卒業までの間のコンディショニング管理

2020.9.24

皆さんは「ディトレーニング」という言葉を知っていますか。ディトレーニングとはただ単にトレーニングをしないという意味だけではなく、今までの活動やトレーニングによって強化されたり、獲得されたりしたものが、不活動状態になることで失われていくことを指します。以前の自粛期間によって不活動を余儀なくされた時期や、高校野球の引退後に適度なトレーニングを行わないこともまたディトレーニングと言えるでしょう。


ディトレーニングによって影響をうける身体的要素はいくつか挙げられますが、より大きな影響をうけると言われているものが、心肺機能の低下による持久的なパフォーマンスレベルの低下です。
運動量が減ってしまい、ディトレーニング状態が続くと体の中に取り込むことのできる酸素量が低下し(最大酸素摂取量の低下)、いわゆる「スタミナ」が落ちると言われています。
ここからさらにトレーニングを行わない状態が続くと、筋持久力の低下によってパフォーマンスの再現性が低下し、やがて筋量そのものも減ってサイズダウンしてしまいます。

体力レベルを維持し、筋力向上を目指すのであれば、適度に有酸素運動を取り入れることも大切です。
隣の人と会話ができる程度の強度(感染予防のため、実際には会話を控えましょう)でジョギングをすることも良いですし、インターバルトレーニングのように高強度+低強度のエクササイズを実施することも心肺機能の強化につながります。

近くでジム利用ができるようであればジョギングの代わりにスイミングを行ったり、ランニングマシンやエアロバイクによる有酸素運動を行ったりすることもオススメです。

運動やトレーニングを行わない期間が長くなればなるほど、体はさまざまな影響をうけるようになります。次のステージで活躍するためにも、ディトレーニングを避け、継続的に体を動かす習慣を身につけておきましょう。(西村典子)


野球に必要なスタミナを落とさないためにも体力トレーニングを継続しよう


著者プロフィール

アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。

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