半田の武器は感覚の良さと対応力
これまでプロ入りした3人と半田では大きく異なる部分があるという。「牧原はキャッチャーだったので少し違うかもしれませんが、柳沢や田上は粗さはあっても当たった時にものすごく飛ばす力がありました。だから将来性の高さや、これから大きく化けるかもしれないみたいなところをプロも評価したのだと思います。半田はそういう何か飛びぬけたものがまだありません。もちろんコンタクト能力は高いですし、ホームランを打つこともありますが、飛びぬけているわけではない。だからプロのスカウトの方にも、ある程度即戦力で期待できる野手を4年から6年早く指名するようなイメージだということは話しています。個人的には大学や社会人で実績を積んでからでも良いのではないかとも思いますが、本人の希望もあるのでこればかりはこちらで無理やりというわけにはいかないですしね」
高校生のドラフト候補として高く評価されるタイプの選手ではないからといって、プロで通用しないかと言えばそんなことはないとも山本監督は話す。
「左投手を克服できたのもそうですけど、こちらが何か言った時にすぐに体現できるような感覚の良さを半田は持っていると思います。だからプロの投手と対戦しても最初はもちろん苦しむと思いますが、ある程度すれば対応できるのではないでしょうか。守備も以前、握り替えの遅さについて指摘したら『絶対直して速くします!』と言って、実際に直してきました。一見すると何か飛びぬけていなくても、そういうところで勝負できる可能性はあると思います」
取材当日もプロのスカウトが視察に訪れており、山本監督から話を聞きながら、熱心に半田のプレーをチェックする姿が見られた。また数多くの選手を指導してきた山本監督から見ても対応力の高さが際立っているというのは大きな武器であるはずだ。夏の神奈川大会でもそのプレーぶりにぜひ注目してもらいたい。
(取材・文:西尾典文/写真:編集部)
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