選手個人ではなく、チームとしてルーティンを行っているケースも多い。
そこで、甲子園出場経験のある名門野球部に伝統として受け継がれる独自のルーティンを調べてみた。
日大藤沢の「伝統のルーティン」
日大藤沢の伝統として受け継がれるルーティンはハーキーステップだ。これは、肩幅よりもやや広めに両足を広げ、腰を少し下げる。姿勢を維持したまま、その場で素早く足を踏み続ける動作。主にバスケットボールの練習でアジリティ(敏捷性)を鍛えるのに用いられる。日大藤沢ではこのハーキーステップを練習前、そして試合前に必ず部員全員が輪になって行っている。
「代表者が輪の中に入り、気合の入る声出しをしてからハーキーステップを始めます。身体を激しく動かすことでアドレナリンが出て、徐々にチームが一体になっていくのを感じられます。人間なので、どうしてもその日の状態や、やる気は一定にはなりません。でも、ハーキーステップが気合のスイッチになって、毎日『よし、今日も頑張ろう!』という強い気持ちで、野球ができています」とチームをまとめる菅原裕太キャプテンは話してくれた。
ハーキーステップで気合いを入れ、最高の状態で野球に取り組む日大藤沢ナイン。ルーティンでチーム一体となり、神奈川の頂を狙う。
日大藤沢高校
●監督/山本秀明
●部長/大貫保
●部員数/3年生24人、2年生27人、1年生18人、マネージャー5人
全国でも屈指の激戦区神奈川で、春・夏合わせ4度の甲子園出場の実績を持つ日大藤沢。プロ野球界のレジェンド山本昌氏の実弟であり、社会人時代に日本選手権優勝の経験を持つ山本秀明監督が指揮を執る。