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【近江】多賀章仁監督|「勝った」と油断・・・手痛い逆転負けが監督としての出発点

2023.12.6

余裕がなかった初めての夏



――目の前にまで来ていた甲子園切符が、こぼれてしまった。

試合が終わって、周りからは8番を歩かせて、9番となぜ勝負しなかったのかと言われました。9番は6回から投げていた左ピッチャーでタイミングも合ってなかったですし・・・・・・。
初めて監督になっての夏で、自分にも余裕がなかったんでしょうね。初球をしっかり叩いた8番打者を褒めるべきですが、あの当時の私には敬遠する考えが浮かばなかったんです。

――八幡商は当時、県内では圧倒的な強さを誇っていましたね。

あの夏は、周囲からまさか近江高校が決勝まで・・・・・・、ましてやあの八幡商を一時はリードするような試合をするなんて、という見方をされていました。その中で、ああいった経験ができた。ここまで来られて良かった、というのはありましたが、やっぱり日に日に悔しくなったのを覚えています。
夏の大会は3年生にとって集大成の大会ですし、春や秋の大会にはない緊張感がある。そういう試合を経験したのが監督としての出発点ですね。今、ここまで甲子園に出させてもらえるようになったのを思うと、良い経験をしたと思います。

――以降、近江高校は県大会で上位進出する試合が増えましたね。

それから夏は毎年のように八幡商と当たりましたね。次の夏も2回戦、次は準決勝で対戦しました。どちらも負けましたが、その次の平成4年にも八幡商と準決勝で対戦して、初めて八幡商に勝って甲子園に出たんです。(取材・写真/沢井史)

*インタビュー後編に続きます

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