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【共生】憧れは甲子園、台湾からやってきた留学生が迎える「最後の夏」

2020.7.17

「最後の夏」に最高の試合を

最後の夏に頂点を目指す共生ナイン。「多感な世代が異国の人と触れ合うのは貴重な体験。お互い理解しあおうとしますし、人生観がちょっと変わると思います」と森下監督
甲子園開催の中止で涙をしたのは、日本人だけではない。覚悟を持って海を渡ってきた留学生たちも同じだ。中止の報道は寮でテレビを見ていたときに知ったという留学生たち。その時の心境を「残念です」「甲子園へチャレンジしたかった」とポツリ。憧れの甲子園で試合をするために日本へ来た留学生。本当はもっと言いたいこと、伝えたいことがある。ただ、その気持ちを日本語でどう伝えればいいのか分からないのかもしれない。短かい言葉のなかに、彼らの計り知れない悔しさを感じた。

目標にしていた甲子園への挑戦は叶わなかった。それでも林主将は「代替大会開催があるのは楽しみです。チームとしてみんなと一戦一戦大事にしたい」と意気込みを語った。蘇 翊(スーイー)は「日本人の指導者の方に色々とお世話になったので、最後まで諦めない姿をみせたい」と感謝を述べた。日本が大好きだという劉 郡廷(リュウ・チェンウェイ)は「悔いの残らない試合にしたいです」と気持ちは前を向いている。

今年のチームはクリーアップを留学生3人が担う。(左から)身長185㎝とチーム一の長身で投手も兼任する劉(リュウ)。昨秋の県大会地区予選で3本塁打を放つなど長打力が持ち味の林(りん)。選球眼が良い蘇(スー)。レギュラーではないがムードメーカーの荘(ツァン)。※一人は帰国中

共生高校 の部員は、台湾人留学生5人を含む3年生16人のみ。1・2年生はいない。実は学校経営の事情で、 この夏をもって野球部は休部することが決まっている。卒業後、台湾の選手は大学に進学しプロ野球を目指す選手もいる。野球部は休部するが、野球を続ける選手が共生の想いをつなげていく。

それぞれの夢にむけて自信をつけるための大会が、明日開幕する。(取材・文・写真/永野裕香)

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