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【共生】憧れは甲子園、台湾からやってきた留学生が迎える「最後の夏」

2020.7.17

岡山県では台湾留学生を受け入れる学校で有名な共生(きょうせい)高校。創部19年で夏の岡山県大会4度の8強入り、秋の中国大会3度出場の実力校。現在、西武ライオンズで活躍する吳 念庭( ウー ・ネンティン)や元ソフトバンクの李 杜軒(リー・トゥーシェン)な ど、日本のプロ野球界に4人を輩出している。甲子園出場を夢見て、日本に来た台湾留学生球児たちの心境を聞いた。


台湾のテレビでみた甲子園の地で野球することを夢みて留学を決意

今年、創部初の台湾人主将を任された林 承緯(リン・チェンウェイ)は、U12に選ばれた実績をもっている。「中2の夏にテレビで甲子園をみていたときに、応援が凄かったのでここでやってみたいと思いました」と照れながら話す。台湾では日本のNHK BSが放送されている。そこで夏の甲子園大会を見て、大観衆の中で自分もプレーしたいという夢を持った。

台湾と日本の野球観の違いはある。森下雄一監督は「彼らがやろうとしているのは“野球”というより“Baseball”に近いです。日本の高校野球はいかにボールを正面でとるかと言われていますが、台湾の選手は逆シングルでとったり、片手で取ろうとします」と話す。でも、それでもいいと考えている。それは純粋に楽しく野球をさせてあげたいという思いがあるからだ。

中学の先輩が共生で活躍する姿を見て、日本への留学を決めた選手も多い。森下監督は「共生高校は日本では有名ではないですけど、台湾球界では有名なんですよ(笑)」と冗談交じりに語る。

全員が寮で生活し、寝食を共にしてきた。下級生がいないため、グラウンドや道具の準備・整備、食事の支度もしてきた3年間
台湾の選手はどれぐらい日本語を話せるのか? そう疑問に思った。「最初は日本語を喋れないと思っていたけど、意外と話せてビックリしました。今はコミュニケーションで困ることはありません」とエースの内海奎太郎君は話す。林主将について「こちらが話したことを分かろうとしてくれます。バッティングではチームを引っ張ってくれる頼りになる存在です。プライベートは、おちゃらけていますね(笑)」。内海君は新チームになって少しの間、林主将と一緒にキャプテンをしていた。
林主将にとっても内海君は今でも「困った時には助けてくれる」大切な存在だと言う。


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